画面に「このサイトで重大なエラーが発生しました」と出て、サイトも管理画面も真っ白になっていると、正直かなり焦りますよね。
結論を先に言うと、WordPressで重大なエラーが出ても、一つずつ原因をつぶしていけば、多くのケースで自力復旧が可能です。むしろ、焦って適当に触るより、順番を決めて落ち着いて対応した方が早く終わります。
WordPressの「重大なエラー」とは?

まずは、「重大なエラー」と呼ばれているものがどういう状態なのかを整理します。ざっくりと全体像をつかんでおくだけでも、このあと説明する対処手順が頭に入りやすくなります。
wordpress 重大なエラーが出る典型パターン
ここでは、「この記事で扱っているエラーは、このパターンですよ」という目印を共有しておきます。よくある状況を表にまとめると、こんな感じです。
| 状況 | 画面の見え方 | 代表的なメッセージ | よくあるケース |
|---|---|---|---|
| サイトのトップページ | 真っ白、または一部だけ表示 | 「このサイトで重大なエラーが発生しました」 | プラグインの更新直後、テーマ変更直後 |
| 管理画面のログインページ | ログインできない、またはエラー表示 | 「重大なエラーが発生したため、このページを表示できません」など | ログイン関連プラグインやセキュリティプラグインの不具合 |
| 特定の固定ページ・投稿ページ | そのページだけエラー | 重大なエラー文に加えてファイル名が表示されることもある | テンプレートファイルやショートコードの不具合 |
| メール | サイトから届く通知メール | 「サイトで技術的な問題が発生しています」という件名など | WordPressの「リカバリーモード」のお知らせ |
多くのケースで、WordPressが「致命的なエラー(Fatal error)」と判断し、処理を途中で止めたときに、こうしたメッセージが出ます。専門用語を見ると難しそうに感じますが、「どこかのプログラムがこけて、続きが動かなくなった状態」と考えるとイメージしやすいと思います。
画面ごとの違いを軽くおさえておこう
細かい仕組みが全部分からなくても大丈夫ですが、次のポイントだけ頭の片すみに置いておいてください。
- サイトの表示だけが真っ白なときは、表示に関わるプラグインやテーマが怪しいことが多いです。
- 管理画面にも入れないときは、より根本的なプラグインやPHP設定が原因になっている可能性があります。
- 「サイトで技術的な問題が発生しています」というメールが届いていれば、WordPressが問題のあるプラグインなどを切り分けようとしてくれている状態です。
この違いをざっくりでも理解しておくと、「どこを疑えばよさそうか」の見当が付きやすくなり、復旧までの遠回りが減ります。
wordpress 重大なエラーの主な原因を整理しよう

次に、よくある原因を整理していきます。ご自分のサイトで心当たりがありそうなものにチェックを付けるつもりで読み進めてもらえると、後で原因の候補を絞り込みやすくなります。
重大なエラーの原因早見表
頻出する原因をざっくりまとめると、次のようなイメージです。
| 原因候補 | 発生しやすいタイミング | 難易度の目安 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| プラグインの不具合・競合 | プラグインのインストール・更新直後 | やさしめ | まずはここから疑うのがおすすめです。 |
| テーマの不具合・テーマ変更 | テーマ変更後やテーマ編集の直後 | やや難しい | 子テーマの編集ミスもここに含まれます。 |
| PHPバージョンの不整合 | サーバー側でPHPのバージョンを上げた直後 | 中〜やや難しい | 古いプラグインやテーマが新しいPHPに対応していないことがあります。 |
| PHPメモリ不足 | アクセス増加や重いプラグイン導入後 | 中 | メモリ不足のエラーがログに出ていることも多いです。 |
| .htaccessなど設定ファイルのミス | リダイレクト設定や常時SSL設定を編集した直後 | 中〜難しい | 一文字の誤りでもサイト全体が表示できなくなります。 |
| マルウェア・改ざん | 身に覚えのないファイルやコードが増えたとき | 難しい | セキュリティ対応が必要なパターンです。 |
プラグインの不具合・競合
一番よくあるのがプラグインまわりのトラブルです。新しいプラグインを入れた、既存のプラグインを更新した、といった直後にWordPressで重大なエラーが出るなら、まずここを疑います。
例えば次のようなケースです。
- 似た機能を持つプラグイン同士がぶつかってしまった。
- プラグインが今使っているPHPのバージョンに対応しきれていない。
- すでに開発が止まっている古いプラグインを使い続けていた。
私も昔、便利そうだからといろいろなプラグインを入れていたら、ある日突然サイトが真っ白になったことがあります。そのときは「あとから入れたものから順に停止していく」という単純な作業で原因を特定できました。
テーマ・PHPバージョンの相性問題
見た目を決めてくれるテーマも、裏側ではPHPで動いています。テーマ自体が古い書き方のままだったり、PHPの仕様変更に合わせた更新が行われていないと、サーバー側でPHPのバージョンを変えたタイミングでエラーになることがあります。
例えば次のようなケースです。
- テーマを変更した途端に、画面が真っ白になった。
- 子テーマで functions.php を編集したあとからエラーが出るようになった。
- テンプレートファイルを直接編集していて、途中の記述で止まってしまった。
この場合も、「テーマを一時的に標準テーマへ切り替えたら直るかどうか」が大きなヒントになります。
PHPメモリ不足やサーバー設定のエラー
WordPressは、ページを表示するたびに「メモリ」と呼ばれる作業スペースを使います。プラグインが多かったり、画像が多いページをたくさん同時に処理したりすると、このメモリが足りなくなって、重大なエラーになることがあります。
また、.htaccess という設定ファイルを自分で編集している場合、ちょっとした書き方のミスでエラーが出ることも珍しくありません。サーバーの設定を変えた直後からおかしくなったのであれば、その変更内容を必ず振り返るようにしてください。
マルウェアやデータベース障害などの重めの原因
頻度としては多くありませんが、不正アクセスやマルウェアによる影響でWordPressのファイルが書き換えられてしまい、その結果として重大なエラーにつながるケースもあります。
例えば次のような異変があるときは要注意です。
- 見覚えのないファイルやフォルダが増えている。
- 管理者ユーザーが勝手に追加されている。
- 広告やポップアップが勝手に表示されるようになった。
このレベルになると、単にプラグインを停止したりテーマを切り替えたりするだけでは根本解決になりません。サーバー会社や専門業者に相談し、状況を見てもらうことも視野に入れてください。
重大なエラーが出た直後に必ずやること

原因に心当たりがある程度ついたところで、実際の作業に入る前に「最初に必ずやっておきたいこと」を整理しておきます。ここを飛ばしていきなり触り始めると、あとから振り返るのが難しくなりがちです。
最初にやるべきチェックリスト
深呼吸をひとつしてから、次の項目を順番に確認してみてください。一つ一つは難しくありません。
| やること | 目的 | 目安時間 | メモ |
|---|---|---|---|
| 直前に行った操作を書き出す | 原因の候補を絞るため | 数分 | 「プラグイン更新」「テーマ変更」などをメモします。 |
| 別のブラウザ・端末で表示を確認 | 自分の環境だけの問題か切り分け | 数分 | スマホや別PCで表示をチェックします。 |
| サイトからのメールを確認 | リカバリーモードの案内がないか確認 | 数分 | 「技術的な問題が発生しています」という件名を探します。 |
| サーバー会社の障害情報を確認 | サーバー側の障害を除外するため | 数分 | 自分だけでなく他のユーザーにも影響が出ていないか見ます。 |
この段階では、ファイルを消したり何かを上書きしたりする必要はありません。大事なのは、「いつから」「何をきっかけに」WordPressで重大なエラーが出るようになったのかを、ざっくりでいいので整理しておくことです。
バックアップがあるかを必ず確認
次に、今のサイトのバックアップ状況を確認します。
- サーバー側で自動バックアップが有効になっているか。
- バックアップ用のプラグインで定期的に保存しているか。
- もし復元するなら、どの時点まで戻せそうか。
「最悪どうなっても、ここまでは戻せる」と分かっているだけで、作業中の精神的な負担がかなり減ります。バックアップが全くない場合は、今後の教訓として、「まずバックアップの仕組みを作る」ということを頭に置いておいてください。
まずは「管理画面に入れるかどうか」を判断基準にする
ここまで整理できたら、次の分岐点に進みます。それが、「管理画面にアクセスできるかどうか」です。
- ログイン画面からダッシュボードまで、いつも通りたどり着けるか。
- ログイン画面自体がエラーになっていないか。
- ログイン後に、ダッシュボードではなくエラーメッセージが出ていないか。
この記事では、この判断をもとに、「管理画面に入れる場合」と「管理画面に入れない場合」の2パターンに分けて、具体的な手順を説明していきます。
管理画面に入れる場合のwordpress 重大なエラー解決手順

ここからは、「管理画面には入れるけれど、サイトの一部または全部で重大なエラーが出ている」というケースの復旧手順を見ていきます。難易度の低いものから順番に試していきましょう。
管理画面に入れる場合の基本ステップ
全体の流れを先に表にしておきます。作業するときは、上から順番に進めていけばOKです。
| ステップ | やること | 主な目的 |
|---|---|---|
| Step1 | 直前に入れたり更新したプラグインを停止 | 原因プラグインの切り分け |
| Step2 | すべてのプラグインを一時的に停止 | プラグイン全体が原因かどうかの確認 |
| Step3 | テーマを標準テーマに変更 | テーマが原因かどうかの切り分け |
| Step4 | キャッシュの削除 | 古いキャッシュによる表示崩れを排除 |
| Step5 | サイトヘルスでPHPやモジュールを確認 | サーバー設定やバージョンの問題を把握 |
Step1:直前に入れたプラグインを停止してみる
心当たりのあるプラグインがある場合は、そのプラグインだけをピンポイントで停止してみましょう。管理画面の「プラグイン」一覧から対象のものを「停止」にして、エラーが出ていたページを再読み込みしてみてください。
結果は大きく次の二つに分かれます。
- 停止したらエラーが消えた → そのプラグインが直接の原因である可能性が高い。
- 停止しても何も変わらない → 別のプラグインか、プラグイン以外が原因の可能性。
エラーが消えた場合は、そのプラグインの更新履歴やサポート情報を確認し、同じような報告がないかを見ておくと良いです。代わりになるプラグインがあれば、乗り換えも検討しましょう。
Step2:すべてのプラグインを一括停止する
どのプラグインが怪しいか見当がつかないときは、一度すべてのプラグインを停止してしまうのが手っ取り早いです。プラグイン一覧のチェックボックスを使えば、一括で停止できます。
その状態で、エラーが出ていたページを再表示してみましょう。
- エラーが消えた → プラグイン群のどれかが原因なので、一つずつ有効化して再発するタイミングを探します。
- エラーが消えない → テーマやPHP設定など、プラグイン以外が原因の可能性が高いです。
少し地道な作業にはなりますが、「一つずつ有効化して、表示を確認する」を繰り返すのが、結果的には一番早いことが多いです。
Step3:テーマをデフォルトテーマに切り替える
プラグインを全部止めても改善しない場合は、テーマ側に問題があるパターンを疑います。一時的にWordPressの標準テーマに切り替えて、サイトが表示できるか確認してみてください。
標準テーマに切り替えたら、エラーが出ていたページをもう一度読み込んでみます。
- エラーが消えた → 元のテーマ、もしくは子テーマのどこかのコードに原因があります。
- エラーが残る → テーマ以外の可能性(設定ファイルなど)を疑います。
テーマが原因だった場合、直前に編集したテンプレートファイルや functions.php を重点的に見直すと、問題の箇所を見つけやすくなります。
Step4:キャッシュを削除する
プラグインやテーマを切り替えても、キャッシュの影響で古い状態が表示され続けてしまうことがあります。変更したはずなのに画面に反映されないときは、キャッシュも疑ってください。
- キャッシュ系プラグインを使っている場合は、そのプラグインの管理画面からキャッシュを削除します。
- ブラウザ側のキャッシュも、一度クリアしておくと安心です。
- シークレットウィンドウや別のブラウザで確認すると、キャッシュの影響を受けにくくなります。
キャッシュを削除してから、もう一度エラーが解消しているかどうかを確認します。ここまでで直るケースも意外と多いです。
Step5:サイトヘルスでPHPやモジュールの状態を確認する
管理画面の「ツール」にある「サイトヘルス」では、現在のPHPバージョンや、WordPressを動かすのに必要なモジュールが揃っているかをチェックできます。
ここで「改善が推奨」「重大な問題」などの表示が出ていれば、その内容を一つずつ確認していきましょう。
- プラグインが対応していないほど古い、または新しすぎるPHPバージョンを使っていないか。
- 必要なPHP拡張モジュールが不足していないか。
- サイトのHTTPS設定やREST APIの動作に問題が出ていないか。
サーバーの管理画面でPHPバージョンを変更した直後にエラーが出るようになった場合は、このあたりの設定も合わせて見直してみてください。
管理画面に入れない場合の重大なエラー解決手順

続いて、「ログイン画面から先に進めない」「管理画面自体が重大なエラーで開けない」という場合の対処です。このパターンでは、FTPソフトやサーバーのファイルマネージャーを使って、直接ファイルを操作していきます。
管理画面に入れないときの全体像
まずは、やるべきことをざっくり整理しておきます。難しそうに見えますが、実際の操作は「フォルダ名を変える」「ファイルを一時的に別名にする」といった単純なものです。
| ステップ | 作業場所 | やること | 目的 |
|---|---|---|---|
| Step1 | ファイルマネージャーまたはFTP | プラグインフォルダ名を変更 | プラグインを強制的に無効化する |
| Step2 | 同じくファイルマネージャー | テーマフォルダ名を変更 | 別テーマに切り替え、テーマ起因か確認 |
| Step3 | WordPressのルートフォルダ | .maintenance を削除 | メンテナンス状態からの復帰 |
| Step4 | 同じくルートフォルダ | .htaccess を一時的にリセット | 設定ファイルのミスを切り分ける |
Step1:プラグインフォルダをリネームする
サーバーの管理画面から「ファイルマネージャー」を開くか、FTPソフトでサーバーに接続し、WordPressをインストールしているフォルダに移動します。
その中の wp-content フォルダを開くと、さらに plugins というフォルダがあります。このフォルダ名を、一時的に plugins_backup のような別名に変更してみてください。
これにより、WordPressから見ると「プラグインフォルダが存在しない状態」となり、結果としてすべてのプラグインが無効化されたのと同じ状態になります。そのうえでサイトや管理画面を再度開いてみて、重大なエラーが消えるか確認しましょう。
Step2:テーマフォルダをリネームしてデフォルトテーマに戻す
プラグインを無効化しても改善しない場合は、テーマのフォルダ名も一時的に変更してみます。再び wp-content フォルダに戻り、今度は themes フォルダを開きます。
現在使っているテーマのフォルダ(例:mytheme)を探し、その名前を mytheme_backup のように変更します。多くの環境では、現在のテーマが見つからなくなると、WordPressは用意されている標準テーマのいずれかで表示しようとします。
フォルダ名を変えたあと、もう一度サイトを表示してみてください。
- 表示が戻る → 元のテーマや子テーマが原因の可能性が高いです。
- 変化がない → 他の設定ファイルやサーバー側の問題を疑います。
Step3:.maintenance ファイルの削除
更新の途中で処理が止まってしまうと、WordPressがメンテナンスモードのまま戻ってこられなくなることがあります。そのときに鍵を握るのが、ルートフォルダにある .maintenance というファイルです。
WordPressをインストールしているフォルダの直下を確認し、もし .maintenance ファイルがあれば、一度削除してみてください。そのうえでサイトを再読み込みし、重大なエラーが解消しているかを確認します。
Step4:.htaccess のリセット
リダイレクト設定や常時SSLの設定、パーマリンク設定などを自分で追加している場合、.htaccess ファイルの記述ミスが原因でエラーになっていることもあります。
ルートフォルダにある .htaccess を、一度別名(例:.htaccess_backup)に変更して退避しておきます。そのうえで、最低限の内容だけを書いた新しい .htaccess を用意するか、パーマリンク設定を保存し直して自動生成させる方法もあります。
新しい .htaccess に変えた状態でサイトを再度表示してみて、重大なエラーが解消されるかを確認します。これで直るようであれば、元の .htaccess に書かれていたどこかのルールが原因だった可能性が高いです。
デバッグモードでWordPressのエラー原因を特定する

ここまでで、おおまかな原因の方向性は見えてきたはずです。ただ、「具体的にどのファイルのどの行で失敗しているのか」を知りたい場面もあります。そのときに役立つのが、WordPressのデバッグモードです。
デバッグ設定と効果の一覧表
デバッグに関わる代表的な設定項目と、その意味を表にまとめておきます。全部暗記する必要はないので、なんとなくの雰囲気だけつかんでもらえれば大丈夫です。
| 項目名 | 設定例 | 主な効果 |
|---|---|---|
| WP_DEBUG | true にする | エラーや警告を出力するようになる |
| WP_DEBUG_LOG | true にする | エラーをログファイル(通常は wp-content/debug.log)に保存する |
| WP_DEBUG_DISPLAY | false にする | 画面にはエラーを表示せず、ログだけに記録する |
これらはすべて、WordPressの設定ファイルである wp-config.php の中で指定します。
wp-config.php でデバッグモードをオンにする
サーバーのファイルマネージャーやFTPソフトで wp-config.php を開き、先ほどの項目を設定していきます。すでに定義されている場合もあるので、重複して書かないように注意してください。
デバッグモードをオンにした状態で、あえてエラーが出ているページを再度読み込むと、どのファイルの何行目でエラーが起きているかがログに残ります。ログの保存先は、特に変更していなければ wp-content/debug.log です。
ログの中に特定のプラグイン名やテーマのファイル名が出ていれば、その部分が原因とほぼ考えてよいです。自分でコードを修正する自信がない場合は、そのログを添えて制作会社や開発者、サーバー会社のサポートに相談すると話が早く進みます。
エラーログの読み方のコツ
エラーログを初めて見ると、英語と記号だらけで「これは無理だ」と感じてしまうかもしれません。でも、次の3点だけ追いかければ、原因の見当はつけられます。
- 「Fatal error」「Warning」「Notice」など、エラーの種類がどうなっているか。
- 「in ○○.php on line 123」のように、どのファイルの何行目で止まっているか。
- 「Call to undefined function ○○」など、エラー文の最初の一文が何を言っているか。
特にファイル名と行番号が分かれば、「どのプラグイン」「どのテーマ」に原因があるのかが見えてきます。そこまで分かっていれば、あとは詳しい人にバトンを渡すにしても、話がとてもスムーズになります。
重大なエラーを繰り返さないための予防と運用

WordPressで重大なエラーをできるだけ避けるための日常的な工夫についてまとめます。ここを整えておくと、万が一エラーになったとしても、被害をかなり小さくできます。
予防策の全体マップ
どんな方向性で予防を考えればいいか、ざっくり整理しておきます。
| 分野 | やること | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| バックアップ | 自動バックアップ+手動バックアップの二重管理 | 重大なエラー時でも落ち着いて復元できる |
| 更新ポリシー | テスト環境でプラグインやテーマを試してから本番に適用 | 本番サイトでの予期せぬエラーを減らせる |
| セキュリティ | 不要なプラグイン削除・セキュリティプラグイン導入 | 改ざんやマルウェア由来のトラブルを予防 |
| モニタリング | エラー通知や稼働監視ツールの導入 | トラブルに早く気づいて対処できる |
バックアップの仕組みを整える
予防策として一番大事なのは、やはりバックアップです。理想は次のような形です。
- サーバー側の自動バックアップを有効にしておく。
- WordPress側でもバックアップ用プラグインを使い、別の場所にも保存しておく。
この二重構成にしておけば、もし片方がうまく復元できなくても、もう片方から戻すことができます。大げさに聞こえるかもしれませんが、「いつでも戻せる」という安心感があるだけで、日常の更新やカスタマイズも思い切って実行しやすくなります。
プラグインとテーマの選び方を見直す
プラグインとテーマの選び方を少し意識するだけでも、WordPressで重大なエラーに遭遇する確率はぐっと下がります。
- 長期間更新されていないプラグインやテーマは極力避ける。
- インストール数や評価、サポートフォーラムを確認してから導入する。
- 同じような機能を持つプラグインを必要以上に増やさない。
特に、ちょっとした機能追加のつもりでプラグインを足していくと、いつの間にか管理しきれなくなります。「本当に必要なものだけを残す」という意識が大切です。
テスト環境を用意する
本番サイトを直接いじるのではなく、テスト用のサイト(ステージング環境)を作っておくと安心です。最近は、サーバー側の機能として簡単に複製できるサービスも増えています。
テスト環境があれば、次のような流れが取れます。
- まずテスト環境でプラグインやテーマ、WordPress本体を更新して動作確認。
- 問題がなければ、本番サイトにも同じ更新を反映する。
この一手間をかけておくと、本番環境で急に重大なエラーが出て焦る、という場面はかなり減らせます。
よくある質問:wordpress 重大なエラーQ&A

最後に、WordPressの重大なエラーについて、よく聞かれる疑問をQ&A形式でまとめておきます。
Q1. wordpress 重大なエラーが出たら、まず何をすればいいですか?
A1. まずは深呼吸をして、直前に自分が何をしたかを書き出してください。「プラグインを入れた」「テーマを変えた」「PHPを更新した」など、思い出せるだけメモしておきます。そのうえで、この記事のチェックリストに沿って状況を整理するのがおすすめです。
管理画面に入れる場合は、プラグインの停止やテーマの切り替えから始めると、原因を絞り込みやすくなります。管理画面に入れない場合は、サーバーのファイルマネージャーやFTPでプラグインフォルダの名前を変える方法から試してみてください。
Q2. wordpress 重大なエラーは、自力で直さない方がいいケースもありますか?
A2. あります。特に次のような状況では、無理に自力で直そうとせず、サーバー会社や制作を依頼した相手、もしくは専門業者に相談した方が安全です。
- マルウェア感染や改ざんの可能性がある(見覚えのないファイルやコードが増えている)。
- エラーログを見ても、どのファイルが問題なのか全く見当がつかない。
- バックアップからの復元が必要そうだが、手順に不安がある。
このような場合、自己流でいじってしまうと症状が悪化し、調査も復旧も難しくなることがあります。「これは危ないかも」と直感したら、早めにプロにバトンを渡すのも大事な判断です。
Q3. wordpress 重大なエラーはSEOにどれくらい影響しますか?
A3. サイトが長時間にわたってエラーで表示できない状態が続くと、検索エンジンから見た評価にも悪影響が出る可能性があります。特にアクセスが多いページや、コンバージョンに直結するページが落ちていると、集客や売上にもダメージがあります。
ただ、一時的なエラーであれば、素早く復旧すれば大きな問題にならないことも多いです。だからこそ、WordPressで重大なエラーが出たときに、原因の切り分け方と復旧手順をあらかじめ知っておくこと、そしていざというときに戻せるバックアップを用意しておくことが、とても重要になってきます。
まとめ:wordpress 重大なエラーは順番に対処すれば怖くない
ここまでの要点を整理します
- WordPressの重大なエラーは、プラグインやテーマ、PHP設定、.htaccessなどの不具合がきっかけになることが多いです。
- 「管理画面に入れるかどうか」を基準に、対処方法を分けると整理しやすくなります。入れる場合はプラグイン停止→テーマ切り替え→キャッシュ削除の順がおすすめです。
- 管理画面に入れないときは、サーバーのファイルマネージャーやFTPでプラグイン・テーマフォルダ名を変えたり、.maintenance や .htaccess を確認したりして、原因を絞り込んでいきます。
- デバッグモードやエラーログを活用すると、「どのファイルのどの行」でエラーが起きているのかが分かり、相談するときにも話がスムーズです。
- バックアップの仕組み、プラグインやテーマの選び方、テスト環境の利用などを整えておけば、同じようなエラーに振り回される回数をかなり減らせます。
今日からできる最初の一歩として、まずはご自身のサイトで「どんなバックアップが、どの頻度で取られているか」を確認してみてください。サーバー側とWordPress側の二つのバックアップが用意できれば、万が一WordPressで重大なエラーが出ても、「最悪の場合はここまで戻せる」という安心感を持って落ち着いて対処できます。
そこさえ押さえておけば、トラブルに出会っても、この記事を見ながら順番に対応していけば大丈夫です。



