WordPressで電話番号リンクを設定する5つの手順とコツ

この記事ではWordPressに電話番号リンクを設定する方法をお伝えします。

一言でまとめると、電話での問い合わせを増やしたいなら、WordPressには電話番号リンクを早めに入れておくべきです。

WordPressで電話番号リンクを入れると何が変わるのか

電話番号リンク（TELリンク）とは何か？

電話番号リンクとは、スマホでタップすると電話アプリが立ち上がるリンクのことです。ユーザーは番号を見ながら自分で入力しなくてよくなるので、特にスマホユーザーにとってはかなり楽な導線になります。

項目	普通の電話番号表示	電話番号リンク
ユーザーの操作	表示された番号を見て、自分で数字を入力する。	番号部分をタップするだけで発信画面が開く。
ミスの起こりやすさ	打ち間違いが起きやすい。	番号は固定なので、入力ミスがほぼない。
行動までのハードル	「あとでかけよう」と先送りになりやすい。	思い立った瞬間にそのまま電話しやすい。

WordPressの編集画面では普通のリンクと同じように設定できますが、リンク先を「tel:電話番号」という形式にする点だけが違います。この一手間を加えるだけで、サイトの使いやすさが大きく変わります。

電話番号リンクが問い合わせに強い理由

人は、行動のステップが一つ増えるだけでも面倒だと感じがちです。電話番号を見て電話アプリを開き、数字を打ち込んで…という流れより、「ここを押せばすぐ電話できる」と分かるボタンがあった方が、圧倒的に行動に移してもらいやすくなります。

特に次のようなサイトでは、電話番号リンクを用意しておくと効果を実感しやすいです。

• 美容院やサロンなどの予約が多い店舗サイト
• 水道修理や鍵のトラブルなど、緊急性の高いサービス
• 初回はまず電話で相談したい士業や専門家のサイト

ちょっとした質問や予約の電話が増えれば、その分だけ機会損失を減らせます。電話番号リンクは、問い合わせフォームのボタンよりも「今すぐ話せる」イメージが強いので、急ぎの相談につながりやすいのもポイントです。

SEO的に電話番号リンクをどう考えるか

電話番号リンクそのものが検索順位を直接押し上げるわけではありません。検索結果の順位は、コンテンツの内容やサイト全体の評価など、多くの要素で決まります。

ただし、電話番号リンクによってサイトが使いやすくなり、離脱が減ったり、ユーザーが目的の行動にたどり着きやすくなれば、その積み重ねが結果的に評価の安定にはつながります。検索から集めたアクセスが、実際の電話という「売上に直結する行動」に変わるので、ビジネスの視点で見るとコスパの良い改善だと私は感じています。

WordPressで電話番号リンクを作る基本ステップ

投稿・固定ページに電話番号リンクを設定する

一番よく使うのが、投稿ページや固定ページの本文に電話番号リンクを入れる方法です。アクセスページや料金ページ、サービス内容を紹介するページなどに入れておくと、その場で電話してもらいやすくなります。

ブロックエディタの場合の流れは次の通りです。

クラシックエディタでも基本は同じで、電話番号を入力して選択し、リンクボタンから「tel:番号」を指定するだけです。リンク先の数字をハイフンなしで入れておくと、端末による動作の違いが出にくくなります。

項目	ブロックエディタ	クラシックエディタ
入力場所	段落ブロックに電話番号を書く。	本文エディタに電話番号を書く。
リンク設定	番号を選択してリンクアイコンからtel:番号を入れる。	番号を選択してリンクボタンからtel:番号を入れる。
コード確認	コードエディタでHTMLを確認できる。	テキストタブでHTMLを確認できる。

HTMLで見ると、<a href="tel:0120000000">0120-000-000</a> のような形になります。WordPressのどの画面でも、このイメージさえつかんでおけば迷いにくくなります。

ボタンや画像に「タップで電話」を仕込む

本文中に数字だけを置くより、「今すぐ電話する」といったボタンを作った方が、ユーザーにとっては分かりやすいことが多いです。ボタンブロックを追加して、リンク先の設定で「tel:番号」を指定すれば、電話番号リンク付きのボタンを簡単に作れます。画像バナーを使う場合も、画像を選択して同じようにリンクを設定します。

ボタンのテキストには、次のような具体的な行動が分かる言葉を入れておくと良いです。

「お問い合わせ」だけだとフォームなのか電話なのか分かりづらく、ユーザーが一瞬迷ってしまいます。「電話で」「お電話で」など、一言でいいので電話だとわかる表現を足しておきましょう。

ヘッダーやフッターに電話番号リンクを置く

サイト全体で電話を受けたい場合は、ヘッダーやフッター、グローバルメニューにも電話番号リンクを置くのがおすすめです。どのページからでも同じ位置に「電話する」導線があれば、ユーザーは迷わず行動できます。

多くのテーマでは、「外観」メニューからナビゲーションメニューを編集し、カスタムリンクとして「tel:番号」を追加できます。フッターにテキストで電話番号を表示している場合は、そのテキストに対して同じようにリンクを設定すればOKです。

設定が終わったら、スマホ表示でボタンやリンクの大きさ、位置を必ずチェックしてください。指で押しやすいか、周りのリンクと近すぎないかを、自分のスマホで一度試してみると安心です。

スマホで押しやすいWordPressの電話番号リンクデザイン

テキストだけより「ボタン化」した方が良い理由

電話番号リンクを文章の中に数字だけで置いてしまうと、リンクだと気づかれないことがあります。色付きのボタンや受話器アイコンを付けたボタンにしておくと、「ここを押せば電話できるんだな」と一目で分かるので、クリック率が上がりやすくなります。

項目	テキストの電話番号リンク	ボタンタイプの電話番号リンク
視認性	文章の中に紛れて見落とされやすい。	目に入りやすく、場所が直感的に分かる。
タップのしやすさ	文字サイズによっては指で押しにくい。	余白があり、指でもタップしやすい。
行動喚起	ただの番号に見え、「本当に電話してよいか」迷われることもある。	「今すぐ電話する」などのコピーを載せやすい。

スマホでは、ボタンの横幅を広めに取り、縦の高さも指一本分くらいは確保しておくと安心です。色はサイト全体のトーンに合わせつつ、ほかのボタンより少しだけ目立たせるイメージで調整してみてください。

電話番号リンクの設置位置の考え方

電話番号リンクは、どこに置くかで役割が変わります。よく使われる場所ごとの特徴をざっくり整理すると、次のようなイメージです。

設置場所	特徴	向いているケース
ヘッダー	どのページからでも常に見える。	いつでも電話相談を受けたいサービス。
ファーストビュー	ページを開いた瞬間に目に入る位置。	緊急性の高いサービスや予約を重視するサイト。
本文中	説明の直後に配置できる。	料金説明の直後に相談してほしい場合。
フッター	ページを最後まで読んだ人に届く。	本気度の高い人からの電話を重視したいとき。
追従ボタン	スクロールしても常に画面に表示される。	スマホアクセスが多く、いつでも電話してほしいとき。

実務では、「ヘッダーに小さめの電話番号リンク」「ファーストビューか本文中にボタン」「必要に応じてスマホ画面下部に追従ボタン」という組み合わせが多いです。自分のサイトの目的に合わせて、「どのタイミングで電話してほしいのか」を先に決めてから、設置場所を考えてみてください。

電話番号リンクに載せる文言のコツ

電話番号リンクのテキストは、ただの「電話する」より、ユーザーの状況がイメージできる一言を足した方がクリックされやすくなります。業種別に見ると、例えば次のような表現が使いやすいです。

業種・サイト例	シンプルすぎる文言	おすすめの文言例
美容院・サロン	電話する	予約や空き状況を電話で聞く
士業サイト	お問い合わせ	まずは電話でかんたん相談する
修理系サービス	連絡する	今すぐ電話で状況を伝える
クリニック	電話する	診療や予約について電話で確認する
教室・スクール	お問い合わせ	体験レッスンを電話で申し込む

自分のサイトを見に来る人が、どんな気持ちでページを開いているのかを想像しながら文言を考えてみてください。「あ、今の自分のことだ」と思ってもらえるかどうかが、クリック率を左右するポイントです。

WordPressの電話番号リンクをもっと活かす応用テクニック

スマホだけ電話番号リンクを強調する考え方

電話番号リンクはスマホでこそ真価を発揮しますが、PCだと人によって通話アプリの設定が異なるため、クリックしたときの動きがバラバラになりがちです。そのため、「スマホでは目立たせ、PCでは控えめにする」という設計を意識しておくと扱いやすくなります。

テーマによっては、スマホだけに表示されるエリアやクラスが用意されていることもあります。その部分に電話番号リンク付きのボタンを配置すれば、スマホユーザーにだけ強くアピールすることができます。カスタムCSSが使えるなら、「画面幅が一定以下のときだけボタンを表示する」といった制御も可能です。

イメージとしては、スマホレイアウトにだけ大きな電話ボタンを置き、PCではヘッダーに小さめのテキストリンクを置いておく、といった使い分けです。これだけでも、ユーザー体験はかなり変わります。

プラグインで画面下に固定の電話ボタンを出す

スマホからのアクセスが多いサイトなら、画面下に固定で表示される追従ボタンタイプの電話番号リンクも検討する価値があります。ユーザーがどれだけスクロールしても、常に画面下に「電話する」ボタンが見えている状態になるので、思い立ったタイミングですぐに発信してもらえます。

機能	内容	向いているケース
追従ボタン	スマホ画面の下部に電話ボタンを固定表示する。	緊急性の高い問い合わせを受けることが多いサイト。
複数ボタン	電話・フォーム・メッセージアプリなどを並べられる。	連絡手段をユーザーに選んでもらいたいとき。
表示条件	特定ページだけ、特定端末だけに表示できる。	トップ以外のページにも電話導線を置きたい場合。
クリック計測	ボタンのクリック数を記録できるプラグインもある。	電話番号リンクの効果を数字で確認したいとき。

どのプラグインを選ぶかは、テーマとの相性や管理画面の見やすさで決めて問題ありません。大事なのは、「このサイトで本当に追従ボタンが必要かどうか」を考えたうえで導入することです。単に目立てば良いわけではなく、ユーザーの行動と自分たちの対応体制のバランスを意識しましょう。

電話番号リンクのクリックを計測して改善に生かす

電話番号リンクは、クリック数を計測してこそ本当の価値が見えてきます。アクセス解析ツール側で tel: リンクをイベントとして記録するように設定しておくと、「どのページから、どれくらい電話がかかっているか」を把握できます。

例えば、料金ページの電話ボタンと、ヘッダーの電話番号リンクで別々のイベント名を付けておけば、どちらがより使われているかを簡単に比較できます。その結果を見ながら、ボタンの色や文言、配置を少しずつ変えていけば、電話番号リンクはただの飾りではなく、「数字で改善していける導線」になります。

WordPressで電話番号リンクを運用するときの注意点

いたずら電話や営業時間外の電話に備える

電話番号リンクを入れると、ありがたいことに電話の本数が増える可能性があります。その一方で、いたずら電話や営業電話、営業時間外の電話が増えてしまうリスクもゼロではありません。

まずは、電話番号リンクの近くに「電話受付時間」をしっかり書いておきましょう。「受付時間」や「定休日」の表記があるだけでも、時間外の電話はかなり減ります。留守番電話や自動音声の仕組みが使えるなら、時間外はメッセージを残してもらう運用にしておくと安心です。

担当者の個人携帯の番号をそのままWordPressに載せるのは、負担の面でもプライバシーの面でもあまりおすすめできません。可能であれば代表番号やクラウドPBXの番号を使い、複数人で電話を受けられる体制を作っておきましょう。

電話だけに頼りすぎない問い合わせ導線にする

電話はとても便利な導線ですが、すべての問い合わせを電話だけで受けてしまうと、対応が追いつかなかったり、内容の控えが残らなかったりといった問題が出てきます。特に、ヒアリングや見積もりが必要なサービスでは、フォームやメールと組み合わせておいた方が安心です。

導線の種類	特徴	電話番号リンクとの組み合わせ方
電話	その場で疑問を解消できるが、対応できる人数に限りがある。	緊急の用件や、今すぐ話したい人向けに案内する。
問い合わせフォーム	内容を整理して送ってもらえるが、返答まで時間がかかる。	詳しい相談や見積もり依頼はフォームに誘導し、必要なら電話でフォローする。
メール	長文や資料添付に向くが、返信忘れが起こりやすい。	継続的なやりとり用として案内し、急ぎの用件は電話を推奨する。
チャット	気軽に相談しやすいが、対応時間を決めないと負担になりやすい。	まずチャットで状況を把握し、重要な場面だけ電話を使う。

どの導線をメインにして、どの導線をサブにするかを最初に決めておくと、運用が安定します。例えば、緊急対応が多い業種なら電話番号リンクを主役にし、フォームやメールは補助的な役割にする、という整理が分かりやすいです。

よくある失敗パターンと改善のヒント

よくある失敗の一つは、「電話番号自体は書いてあるのに、欲しい場所にリンクがない」というケースです。料金表の近くやサービス説明の直後など、ユーザーが「相談したいな」と感じるポイントに電話番号リンクがないと、せっかくの問い合わせ機会を逃してしまいます。まずは、そのポイントごとに小さな「電話する」ボタンを置いてみてください。

もう一つよくあるのが、「スマホで押しにくいボタン」のまま公開してしまうパターンです。PCでの見え方だけをチェックして公開し、スマホではボタンが小さすぎて押しにくい、という状態になっていることがあります。公開後は必ず自分のスマホでページを開き、指で実際にタップしてみることをおすすめします。それだけでも、改善すべきポイントがかなり見えてきます。

そして意外と多いのが、「電話番号リンクのおかげで問い合わせは増えたが、現場の対応が追いつかない」というケースです。この場合は、よくある質問はページ内で先に答えておく、詳細な相談はフォームで受けるなど、導線全体の設計を見直すことが必要になります。WordPressの中でうまく役割分担を作ってあげれば、ユーザーにも自分たちにも優しい運用ができます。

WordPressの電話番号リンクに関するよくある質問

Q1. WordPressで電話番号リンクを入れるだけで検索順位は上がりますか？

A. 電話番号リンクを入れたことだけで、急に検索順位が上がることはありません。検索順位はコンテンツの質やサイト全体の評価など、多くの要素で決まります。

ただ、WordPressの電話番号リンクによってサイトが使いやすくなり、離脱が減ったり、ユーザーが目的の行動を取りやすくなれば、その積み重ねが間接的にプラスに働くことは十分あります。SEOの裏ワザというより、「成果につながる導線設計の一部」として考えるのが現実的です。

Q2. パソコンからクリックしたときの電話番号リンクはどうなりますか？

A. PCの場合は、利用している環境によって挙動が変わります。通話アプリとの連携を設定している人はそのアプリが立ち上がりますし、設定がない人は何も起こらなかったり、確認画面が表示されたりします。

そのため、WordPressの電話番号リンクはスマホでの利用をメインに考えつつ、PCではあくまで補助的な導線と割り切るのが現実的です。PCユーザー向けには、問い合わせフォームやメールアドレスも並べておき、「急ぎの方はお電話でどうぞ」と案内しておくと親切です。

Q3. 電話番号リンクはページのどこに置くのが良いですか？

A. 正解は一つではありませんが、私がよく提案するのは次のパターンです。

• ヘッダーに小さめの電話番号リンクを置く
• 料金やサービス説明の近くに目立つ電話ボタンを配置する
• 必要であればスマホ画面の下部に追従ボタンを出す

この組み合わせなら、WordPressのどのページからでも電話ができて、「今相談したい」と思ったタイミングで自然に電話番号リンクが目に入ります。自分のサイトの目的や業種に合わせて、優先したい場所から順番に設置していくと良いです。

WordPressの電話番号リンクのまとめ

今日からできる最初の一歩としては、まず一番問い合わせにつながってほしいページを一つ決めて、そのページに分かりやすい電話番号リンクを一つ追加してみてください。自分のスマホで実際にタップしてみて、「これならユーザーも迷わない」と感じられる状態まで整えれば、そこから少しずつ全体の導線を広げていくことができます。