ワードプレスで作ったページに、でかでかと表示されるタイトルがなんだか邪魔に感じて、「タイトルを非表示にできないかな」と思ったことはありませんか。
自分のテーマやサイト構成に合うやり方を選べば、デザインを崩さず、検索にも配慮しながらタイトルをうまく非表示にできます。
難しい専門知識がなくてもできる方法を中心にお伝えするので、気楽な気持ちで読み進めてみてください。
WordPressでタイトルを非表示にしたくなるシチュエーション

まずは、どんなときにタイトルを非表示にしたくなるのかを整理して、自分の悩みがどのパターンに近いのかを明確にしていきます。
まずは「どのタイトルを非表示にしたいか」を整理しよう
「タイトルを非表示にしたい」と言っても、ワードプレスには実はいくつか種類の違うタイトルがあります。ここを混同したまま作業を始めると、「思っていた場所じゃないところが消えた」「検索結果のタイトルまでおかしくなった」といったことが起きがちです。
よく登場するタイトルの種類を、イメージしやすいように表にまとめるとこんな感じです。
| 種類 | 画面での位置 | HTML上のイメージ | 例 |
|---|---|---|---|
| サイトタイトル | 画面の一番上のロゴ付近 | site-title など | ブログ名・会社名 |
| 記事タイトル(投稿・固定ページ) | 本文の少し上 | h1タグ など | 「サービス紹介」「お問い合わせ」など |
| ブラウザタブのタイトル | ブラウザ上部のタブ表示 | titleタグ | 検索結果にも表示されるページタイトル |
| メニューのラベル | グローバルメニュー部分 | li / aタグ | ナビゲーションの文言 |
多くの人が気にするのは、固定ページの「ページタイトル」が大きく表示されてしまうケースです。例えばトップページに太文字で「HOME」と出ていたり、問い合わせページに「お問い合わせ」とだけ大きく載っていると、せっかくおしゃれなデザインにしても、急に事務的な雰囲気になってしまいます。一方で、ブログ記事のタイトルまで消してしまうと、訪問者も自分自身もどの記事か分からなくなってしまうので注意が必要です。
WordPressのタイトルを非表示にしたい主なケース
私のところに届く相談や、実際の制作現場でよく出るパターンはだいたい次のようなケースです。
- ホームページ型のサイトで、トップページだけタイトルを消してフルスクリーンのメインビジュアルを見せたい
- ランディングページで、余計な見出しを出さずに1枚もののデザインにしたい
- 固定ページだけタイトルを非表示にして、ブログ記事のタイトルはそのままにしておきたい
- 採用ページなど、特定のページだけピンポイントでタイトルを消したい
- ヘッダーにロゴやサイト名が入っているので、文字のサイトタイトルは見せたくない
自分がどのパターンに近いのかを頭の中でなんとなくイメージしながら読み進めてもらえると、「この方法が良さそうだな」と判断しやすくなります。
闇雲にタイトルを非表示にすると起きるトラブル
とりあえずタイトルを消してみよう、というノリで作業をすると、後で面倒なトラブルに悩まされることもあります。ありがちな失敗は次のようなものです。
- 検索結果に表示されるタイトルまで変になり、クリック率が落ちる
- h1タグがなくなり、検索エンジンからページ内容が伝わりにくくなる
- パンくずリストや見出しとのバランスが崩れ、デザインが微妙になる
- 管理画面上でもどのページが何のページか自分で分かりにくくなる
- テーマのアップデートでテンプレートが上書きされ、カスタマイズが消える
このあと細かく説明していきますが、「見た目だけ非表示にするのか」「HTMLから完全に出力しないようにするのか」で影響が大きく変わります。少しだけ仕組みを知っておくだけで、こういった失敗をかなり防げるので、ここで一度整理しておきましょう。
WordPress タイトル 非表示の前に知っておきたい基礎

ここからは、タイトルを非表示にする前提として押さえておきたい基本的な考え方をまとめていきます。難しい話ではないので、サラッと目を通してもらえれば大丈夫です。
タイトルはSEOにとって超重要な要素
ページや記事のタイトルは、SEOの観点から見るとかなり重要なパーツです。検索エンジンは、タイトルに含まれている言葉からページの内容やテーマを推測しています。ここがごっそり無くなってしまうと、検索側から見たときに「このページは結局何の話をしているのか」が伝わりにくくなります。
役割ごとのイメージを整理すると、次のようになります。
| 観点 | 役割 | タイトルを消したときに起こりがちなこと |
|---|---|---|
| SEO | ページの主なテーマを伝える | h1が無くなり、内容が検索エンジンに伝わりにくい |
| ユーザー体験 | 今どのページを見ているかの目印になる | 訪問者が迷いやすくなり、離脱につながる |
| SNSシェア | シェア時のテキストとして使われる | シェアされたときの印象が弱くなる |
見た目としてはタイトルを非表示にしても、ページ内にキャッチコピーや大きめの見出しを用意しておけば、ユーザーにとっての分かりやすさは保てます。検索とユーザー、両方の目線を意識して設計してあげるイメージです。
「見た目だけ非表示」と「HTMLから削除」の違い
ワードプレスでタイトルを隠す方法は、大きく分けると二つの考え方があります。
- CSSで display:none などを指定して、見た目だけ非表示にする
- テンプレートやブロックから、タイトルの出力自体を削除する
CSSで非表示にする場合は、HTMLの中にはタイトルのコードが残ります。そのため、検索エンジンもスクリーンリーダーもタイトル情報を読むことができます。一方、テンプレートから完全に消してしまうと、HTMLにも出力されなくなるので、検索エンジンから見ると「タイトルのないページ」という扱いになりやすいです。
どちらが適切かはサイトの目的によって変わりますが、単に固定ページの見た目を整えたいだけなら、まずはCSSで見た目だけ非表示にする方法を検討するのが無難です。
固定ページと投稿(ブログ)で考え方を分けよう
ワードプレスには「固定ページ」と「投稿」という二つの投稿タイプがありますが、この二つは役割が大きく違います。
- 固定ページ:会社概要やお問い合わせ、サービス紹介など、あまり頻繁に更新しないページ
- 投稿:ブログ記事やお知らせなど、どんどん増えていく記事の一覧
固定ページは、LPのようにタイトルを消してもユーザーが迷わないケースが多いです。むしろタイトルを消した方がすっきり見える場合もよくあります。一方、投稿記事のタイトルは、検索結果やサイトの一覧、関連記事の表示など、いろいろな場所で使われています。ここを一括で非表示にしてしまうと、サイト全体の分かりやすさが一気に落ちてしまうこともあります。
このあと紹介する方法でも、「固定ページだけ消す」「特定のページだけ消す」など、できるだけ細かくコントロールできるようにしておくのがおすすめです。
おすすめのWordPress タイトル 非表示パターン5選

ここからは、実際に私が制作現場でよく使っているタイトル非表示のパターンを五つ紹介します。なるべくやさしい順番で並べているので、上から順に検討してみてください。
パターンをざっくり比較するとこうなる
最初に、どの方法がどんな人に向いているのかを一覧で整理しておきます。自分に合いそうな方法に目星をつけてから読み進めると分かりやすいです。
| 方法 | 難易度 | 向いているケース | ポイント |
|---|---|---|---|
| テーマの設定で非表示にする | かんたん | 対応テーマを使っている人 | チェックを入れるだけで完結する |
| ブロックテーマのテンプレート編集 | ふつう | ブロックテーマを使っている人 | 画面を見ながら柔軟に調整できる |
| 追加CSSでタイトルを非表示 | ややむずかしい | ブラウザの検証ツールを触れる人 | 複数ページを一括調整したいときに便利 |
| プラグインで特定ページだけ非表示 | かんたん | コードには触れたくない人 | ページ単位で細かく制御しやすい |
| 子テーマでテンプレートを編集 | むずかしい | カスタマイズ前提の中〜上級者 | 自由度は高いがテスト環境も欲しい |
それぞれの方法について、もう少し具体的に見ていきましょう。
1. テーマの設定画面からタイトルを非表示にする
最近のテーマは、投稿や固定ページごとに「タイトルを表示しない」といったチェック項目を持っていることが多いです。もしあなたのテーマにその機能があれば、これがいちばん簡単で安全な方法です。
大まかな流れは次のようになります。
- タイトルを消したい固定ページの編集画面を開く
- 画面右側や下部の「ページ設定」「レイアウト」などの項目を探す
- 「タイトルを表示しない」「見出しを非表示」などのチェックボックスをオンにする
- プレビューで実際の見え方を確認してから更新する
テーマによって文言や位置は少しずつ違いますが、多くの場合はページごとにオンオフを切り替えられます。「このページだけタイトルを消したい」というときにぴったりのやり方です。テーマのマニュアルページに「ページタイトル 非表示」といったキーワードで説明が載っていることも多いので、一度検索してみると良いと思います。
2. ブロックテーマのテンプレートからタイトルブロックを削除する
フルサイト編集に対応したブロックテーマを使っている場合は、テンプレートを直接編集してタイトルブロックを削除する方法もあります。ブロックエディター上でデザインを見ながら調整できるので、慣れてくると直感的で扱いやすいです。
手順のイメージは次の通りです。
- 管理画面の「外観」から「エディター」を開く
- 「テンプレート」または「テンプレートパーツ」を選ぶ
- 固定ページ用のテンプレートを選択する
- ページ内の「投稿タイトル」ブロックを選び、削除する
- 必要に応じて、代わりの見出しブロックやカバーブロックを追加する
- 変更を保存し、対象ページの表示を確認する
このやり方だと、同じテンプレートを使っているページすべてに一括で反映されます。投稿には影響させたくない場合は、テンプレートを複製して「タイトルなし専用」のテンプレートを作り、タイトルを消したいページだけにそのテンプレートを割り当てると、きれいに整理できます。
3. 追加CSSでタイトルのクラスを非表示にする
テーマ側に設定項目が見つからない場合や、ブロックテーマではないテーマを使っている場合は、CSSでタイトルのクラスを非表示にする方法が役立ちます。少しだけテクニカルですが、慣れてしまえば微調整がしやすい方法です。
大まかな流れはこうです。
- ブラウザでページを開き、タイトル部分を右クリックして「検証」を選ぶ
- タイトルに付いているクラス名(例:entry-title)を確認する
- 管理画面の「外観」→「カスタマイズ」→「追加CSS」を開く
- 該当クラスに対して display:none を指定する
- 固定ページだけに効かせたい場合は .page などの条件で絞り込む
例えば、固定ページのタイトルだけを非表示にしたい場合は、次のようなイメージです。
.page .entry-title { display: none; }
特定のページだけピンポイントで隠したいときは、ページIDを使うこともできます。
.page-id-123 .entry-title { display: none; }
CSSで制御する方法は、書き方を間違えると投稿のタイトルまで消えてしまうことがあります。作業をした後は、トップページやブログ一覧、個別記事などを一通りチェックして、余計な場所が消えていないか必ず確認するようにしてください。
4. プラグインで特定のページだけタイトルを非表示にする
コードに触るのはどうしても怖いという場合は、タイトル非表示に対応したプラグインを使うのも一つの手です。プラグインによって細かな仕様は違いますが、多くはページ編集画面に「タイトルを隠す」ためのチェック欄が追加される仕組みです。
一般的な使い方の流れは次のようになります。
- タイトル非表示対応のプラグインをインストールして有効化する
- タイトルを消したいページの編集画面を開く
- エディターの下部や右側に追加された設定欄を探す
- 「タイトルを非表示にする」「Hide title」などのチェックをオンにする
- ページを更新してフロント側の表示を確認する
プラグイン方式の良いところは、テーマを乗り換えても動き続けることが多い点です。ただし、プラグインを増やし過ぎるとサイト全体が重くなったり、別の機能と競合するリスクもあるので、「タイトルを消したいページが数ページだけ」くらいのケースで使うのが現実的かなと感じています。
5. 子テーマでテンプレートを編集してタイトルを非表示にする
ワードプレスにある程度慣れていて、サイト全体を自分仕様にカスタマイズしたい場合は、子テーマを作ってテンプレートファイルを編集する方法もあります。例えば page.php や single.php などを子テーマ側にコピーして、タイトルを出力している部分を条件付きで非表示にするやり方です。
ざっくりした流れは次の通りです。
- 親テーマを元に子テーマを作成し、有効化する
- 子テーマに page.php や single.php など必要なテンプレートをコピーする
- テンプレート内から the_title などタイトル出力部分を探す
- 特定の条件のときだけ出力しないようにしたり、別の場所へ移動したりする
- テスト環境でエラーが出ていないか確認してから本番に反映する
この方法は自由度が高い反面、PHPの書き方をある程度理解している前提になります。少し書き間違えると画面が真っ白になってしまうこともあるので、自信がない場合は他の方法を優先した方が安心です。
WordPressのタイトルを非表示でよくあるトラブルと対処法

ここでは、タイトルを非表示にするときによく起きるトラブルと、そのときに私がよくチェックしているポイントをまとめておきます。
「タイトルを消したのに反映されない」問題
設定ではタイトルを非表示にしたはずなのに、サイトを開くとまだ残っている、という相談はかなり多いです。ありがちな原因と対処法を表にしてみました。
| 症状 | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 特定のページだけ消えていない | 別のテンプレートが使われている | どのテンプレートが適用されているか確認する |
| スマホだけタイトルが残っている | スマホ用のCSSが別に効いている | メディアクエリ内のCSSも確認する |
| 何度更新しても見た目が変わらない | キャッシュプラグインやブラウザキャッシュが残っている | キャッシュ削除後、シークレットウィンドウで再確認する |
| プラグインの設定が効かない | テーマ側の機能や他プラグインと競合している | プラグインを一時的に止めて組み合わせを切り分ける |
「設定は合っているのに変わらない」ときは、キャッシュとテンプレートの二つを疑うと原因にたどり着きやすいです。特に、キャッシュ系プラグインを入れているサイトでは、管理画面側では変わっているのに、表側に反映されるまで時間がかかることがあります。
「全部のタイトルが消えてしまった」問題
CSSで .entry-title を一括で非表示にした結果、固定ページだけでなくブログ記事のタイトルまで全部消えてしまう、というのもよくあるパターンです。慣れていないとちょっと焦りますが、落ち着いて範囲を絞り込めば元に戻せます。
こういったトラブルを避けるためのポイントは次の通りです。
- 固定ページだけに効かせたいときは .page .entry-title のように条件を足す
- 特定ページだけなら .page-id-◯◯◯ .entry-title のようにIDで指定する
- 投稿側で別のクラス(post-title など)が使われていないか確認する
- おかしくなったら、追加CSSの該当部分を一旦コメントアウトして様子を見る
心配な場合は、いきなり本番ページを触らずに「テスト用」の固定ページを作って、そこでだけタイトルを消す実験をしてみるのがおすすめです。うまくいったら、そのルールを本番ページにも適用していく、という順番にすると安心度が上がります。
「SEOが心配でタイトルを消せない」問題
タイトルを非表示にしたいけれど、検索順位が落ちないか怖くて手を出せない、という声もよく聞きます。この不安はとてもまっとうなので、考え方の目安を整理しておきます。
- 固定ページのタイトルをCSSで見た目だけ非表示にする程度なら、影響は比較的小さいことが多い
- 投稿記事のタイトルは、基本的には表示しておく前提で考えた方が安全
- テンプレートからタイトルを完全に削除する場合は、代わりの大きな見出し(h1など)をページ内に用意する
- 検索結果に表示される titleタグ の文言は、むやみに空にしたり極端に短くしない
大事なのは、「人と検索エンジンの両方が、このページが何について書かれているか理解できるかどうか」という視点です。この条件さえ満たしていれば、固定ページの見出しを少し整理した程度で、いきなり大きく順位が崩れるケースはそこまで多くありません。
よくある質問:WordPress タイトルを非表示の疑問あれこれ

最後に、タイトルを非表示にしようとしている人から実際によくもらう質問を、Q&A形式でまとめておきます。
Q1. 固定ページだけWordPress タイトル 非表示にしても大丈夫ですか?
A. 固定ページだけタイトルを隠すのは、多くのケースで問題ありません。会社概要や問い合わせ、LPなど、検索で大量のアクセスを狙うというよりは、案内用として使うページでは、デザインを優先してタイトルを消すこともよくあります。その場合でも、ページの冒頭にキャッチコピーや大きめの見出しを置いて、「このページは何のページか」がひと目で伝わるようにしておくと安心です。
Q2. 投稿ページのWordPress タイトル 非表示はやめた方がいいですか?
A. ブログ記事のタイトルをまとめて非表示にするのは、正直あまりおすすめしません。投稿タイトルは検索結果のクリック率に影響しますし、サイト内の一覧や関連記事、パンくずなど、いろいろな場所で使われています。デザイン的に目立ちすぎていると感じるときは、「消す」のではなく、CSSで文字サイズや余白、太さなどを調整して、主張を少し弱める方向で考えてみると良いと思います。
Q3. プラグインとCSS、どちらでWordPress タイトル 非表示にするのが良いですか?
A. それぞれ得意なシチュエーションが違います。コードを触るのが苦手で、「この数ページだけタイトルを消したい」という場合はプラグインが便利です。一方で、複数ページに同じルールを適用したいときや、テーマのクラス名に合わせて細かく調整したいときは、追加CSSで制御した方がすっきりまとまります。サイトの規模や運用体制と相談しつつ、自分たちにとって一番無理がない方法を選んでみてください。
まとめ:WordPress タイトルを非表示でデザインとSEOを両立しよう
要点をコンパクトに振り返ります
- 「タイトル」と呼ばれるものには、サイトタイトル、ページタイトル、タブのタイトルなど複数種類がある
- 固定ページと投稿では役割が違うので、タイトルを消すかどうかの基準も分けて考える
- テーマの設定やブロックテンプレート、追加CSS、プラグインなど、自分の環境に合う手段を選ぶ
- SEOが心配なときは、見た目だけ非表示にしつつ、ページ内に別の見出しやキャッチコピーを用意する
- うまく反映されないときは、キャッシュとテンプレートの二つを重点的に確認する
今日からできる最初の一歩としては、「どのページのどのタイトルを消したいのか」を具体的に書き出してみることをおすすめします。そのうえで、まずはテーマの設定やカスタマイザーの追加CSSを開いて、自分の環境で使えそうな方法がないかをざっとチェックしてみてください。一つずつ試しながら調整していけば、無理なく自分の理想に近いデザインに近づけていけます。



