妊娠中でも安心！妊婦のための在宅ワーク入門

妊娠してから通勤や職場の環境がつらく感じてきて、「家でできる仕事ってないかな」と考える方は多いと思います。

とはいえ、「妊娠中に在宅で働いても平気なのか」「どこまでなら無理にならないのか」は、なかなかイメージしづらいですよね。

この記事では、妊娠中に在宅ワークを始めたい妊婦さんに向けて、具体的な仕事の種類や探し方、体調を守りながら続けるコツをまとめました。

妊娠中でも在宅ワークはできる？押さえたい基本

在宅ワーク妊娠中のメリット・デメリット

妊娠中に在宅で働くイメージをつかみやすいように、メリットとデメリットを表にしてみました。

項目	内容
メリット1	通勤がなく、つわりや腰痛がある日も家で様子を見ながら働ける
メリット2	好きなタイミングで休憩したり横になれるので、体調優先でペースを調整しやすい
メリット3	出産後も続けやすい在宅スキルを少しずつ育てられる
メリット4	人間関係のストレスが減りやすく、気持ちが楽になるケースも多い
デメリット1	家でできるぶん、仕事と休みの境目があいまいになり、頑張りすぎてしまうことがある
デメリット2	同じ姿勢が続きがちで、むくみや腰痛が強くなることがある
デメリット3	日によって体調が変わるため、納期や約束の時間を守る工夫が必要になる
デメリット4	慣れるまで収入が安定しにくく、期待しすぎるとプレッシャーになる

在宅で働くことが妊娠中の自分に合っているかどうかは、このメリット・デメリットを見ながら「自分の性格と体調だとどうだろう」と考えてみるのがおすすめです。

妊婦の体調と主治医・家族に確認しておきたいこと

在宅ワークを始める前に、私なら次の4つは必ず確認しておきます。

• 切迫早産や合併症などで、安静の指示が出ていないか
• パソコン作業や座り仕事をどの程度していいか、主治医に具体的に聞いておく
• パートナーや家族と「働けそうな時間帯」「無理をしない基準」を共有しておく
• 家事と仕事のバランスを、ざっくりでも話し合っておく

診察のときに、「家でパソコンを使った仕事を少ししたいのですが、時間の目安などありますか？」と聞いてみると、医師の考え方も分かりやすいです。家族とも、「元気な日だけ少しやるね」「しんどい日はやめるね」と先に決めておくと、お互いに安心感が増します。

在宅ワーク妊婦に向いている仕事の共通点

妊娠中でも続けやすい在宅ワークの条件

妊娠中に取り組みやすい在宅ワークには、いくつか共通した条件があります。

条件	ポイント
体の負担が少ない	重い荷物を持たない、長時間の立ち仕事・座りっぱなしが前提になっていない
時間の融通がきく	納期やシフトに少し余裕があり、急な体調不良のときに調整しやすい
自宅で完結する	移動や外出が不要で、自宅の中だけで作業が完結する
初期費用がかからない	高額な教材や道具を買わなくても、手持ちのパソコンやスマホで始められる
長く続けられる	出産後や育児中も同じスキルで仕事を続けやすい

この条件にどれくらい当てはまるかをチェックしながら仕事を選ぶと、「始めたけれど体に合わなかった」という失敗を減らせます。

妊娠中には向いていない在宅ワークの特徴

反対に、妊婦さんにはあまり向かない可能性が高い在宅ワークの特徴も知っておきましょう。

• 締切が非常にタイトで、徹夜や長時間作業が前提の案件
• 常にクレーム対応やトラブル処理が必要で、精神的負担が大きい仕事
• 成果報酬だけでプレッシャーが強くかかる営業系の仕事
• 電話対応が長時間続き、席を立ちづらいコールセンター系の仕事

絶対にNGというわけではありませんが、「今の体と心の状態で続けたら、あとでしんどくならないかな」と具体的に想像してみることが大切です。

妊娠中でも始めやすい在宅ワーク7選

妊婦に人気の在宅ワーク一覧と収入イメージ

代表的な在宅ワークと特徴を、初心者の取り組みやすさと合わせてまとめました。

仕事	特徴	初心者の始めやすさ
データ入力	指定された内容をフォームや表に入力していくシンプルな作業	高い
Webライター	記事やコラム、ブログの文章を書く仕事	中〜高
文字起こし	音声や動画を聞きながら、内容を文字にする仕事	中
アンケート・モニター	アンケートに回答したり、商品やサービスの感想を伝える仕事	非常に高い
ハンドメイド販売	アクセサリーや布小物など、自分の作品を販売する	中
SNS運用サポート	お店や個人のSNS投稿を代行したりサポートする仕事	中
オンライン事務	メール対応や簡単な資料作成などをオンラインで行う	中〜高

収入は、経験や作業時間によってかなり幅があります。最初は金額よりも、「妊娠中でも続けられるペースかどうか」を大事にすると、長い目で見てプラスになりやすいです。

データ入力・テキストチェック

データ入力は、妊娠中に在宅で始める仕事としてよく名前が挙がります。やることは基本的にシンプルで、決められたルール通りに文字や数字を入力していく作業が中心です。

単価が低い案件も少なくないので、最初は練習感覚で経験を積み、慣れてきたら長期の事務系案件などを狙うとステップアップしやすいです。

Webライター

文章を書くことに抵抗がなければ、Webライターは妊婦さんにとって心強い選択肢になります。必要なのはパソコンとネット環境だけで、在宅で完結するのも大きなメリットです。

いきなり難しい専門記事に挑戦する必要はありません。体験談やレビュー記事など身近なテーマから始め、スマホでメモを取っておいて調子の良い時間帯にパソコンで仕上げる、といったやり方なら続けやすいです。

文字起こし

文字起こしは、録音された会話やセミナー動画などを聞きながら、その内容を文章にしていく仕事です。耳で聞いた内容を正確に入力する根気は必要ですが、コツコツ作業が好きな方には向いています。

長時間ヘッドホンを付けっぱなしにすると疲れやすいので、作業の区切りごとに耳を休めたり、音量を少し抑えたり、体に負担がかからない工夫を意識しましょう。

アンケート・モニター

「今日はどうしても体が重くて、長く画面を見ていられない」という日もありますよね。そんなときに便利なのが、アンケートやモニター系の在宅案件です。

体力があまりない日でも「今日はアンケートだけやってみよう」と小さく動けるので、気持ちのリハビリにもなります。

ハンドメイド販売

ものづくりが好きな方は、ハンドメイド販売も選択肢に入ってきます。アクセサリーや布小物、ベビー用品など、得意なジャンルがあると楽しく続けやすいです。

材料費がかかるため、最初から在庫をたくさん抱えるのではなく、小さめの作品を少量つくって反応を見るところから始めると安心です。

SNS運用サポート・オンライン事務

普段からSNSをよく使っている方や、事務職の経験がある方なら、SNS運用サポートやオンライン事務も向いているかもしれません。

「日中は体調が不安定だから、夕方〜夜の短い時間だけ働きたい」など、自分の希望を最初に伝えたうえで合いそうな案件を探してみてください。

妊婦の将来を考えたスキル系在宅ワーク

出産後も使えるスキル系在宅ワークの例

代表的なスキル系の在宅ワークと、学び方のイメージをまとめました。

スキル系在宅ワーク	学び方の例	ポイント
Webデザイン	オンライン講座、書籍、動画教材など	作ったバナーやLPなどの作品集（ポートフォリオ）が大きな武器になる
動画編集	編集ソフトのチュートリアル、オンライン講座	需要が高く、経験を積むほど単価アップを狙いやすい
プログラミング	学習サイトやスクール、書籍	習得には時間がかかるが、長期的に見れば在宅での仕事の選択肢が広がる
マーケティング・SNS運用	本や講座で基礎を学び、自分のSNS運用で実践	自分のアカウントの実績も「ポートフォリオ」として評価されやすい

妊娠中はどうしても体調に波がありますが、スキルの勉強なら「今日は動画を見るだけ」「今日は問題を数問だけ解く」といったように、日によって負担を調整できます。働く量を増やす前の準備期間として、無理のない範囲でコツコツ進めていくイメージがおすすめです。

妊娠初期・中期・後期と在宅ワークのコツ

妊娠の時期ごとの働き方イメージ

個人差はありますが、参考になる目安として表にしてみました。

時期	体調のイメージ	在宅ワークの目安
初期	つわりがつらかったり、眠気やだるさが強く出ることがある	体調が良い日にアンケートなどの軽い作業や、勉強メインにする
中期	比較的体調が安定しやすいことが多い	無理のない範囲で在宅ワークの練習や、実績づくりを進める
後期	お腹が大きくなり、同じ姿勢がしんどくなりやすい	作業時間を短めにして、体調を最優先にやれる日だけ取り組む

大切なのは、「この時期だからこうしなければいけない」と決めつけないことです。体調が厳しければ休んでいいし、元気なら少し頑張ってもOK。その柔らかい感覚を自分に許してあげてください。

妊婦の1日の在宅ワークスケジュール例

妊娠中に在宅で働くイメージを持ちやすくするために、あくまで一例として、1日の流れを考えてみます。

時間帯	やることの例
朝	起きたらまず体調チェック、軽くストレッチ、メールや連絡の確認
午前	調子が良ければ集中タイムとして1〜2時間だけ作業し、その後しっかり休憩
昼	食事と仮眠タイム。横になりながらスマホで情報収集や勉強をしてもOK
午後	様子を見ながら、軽めの作業を30分〜1時間だけ行うか、思い切ってオフにする
夕方〜夜	家族との時間や家事を優先しつつ、翌日の予定をざっくりイメージする

毎日同じだけ働く必要はまったくありません。「今日はここまでできたら十分」と小さめのゴールを決めておくと、達成感も得やすくなります。

在宅ワークの探し方と妊婦が安心できる求人

クラウドソーシングや求人サイトを使うときのポイント

在宅ワークの求人を探すときに、代表的なサービスの種類と特徴をまとめました。

サービスの種類	例	特徴
クラウドソーシング	在宅案件が多い大手サイトなど	単発案件が多く、初心者でもチャレンジしやすい
主婦・ママ向け求人サイト	ママや主婦向けの求人に特化したサイト	在宅ワークや時短勤務の求人が見つけやすい
スキル販売サイト	得意分野をサービスとして出品できるサイト	イラストや文章、相談など、自分の得意を活かして仕事ができる
フリマアプリ	有名なフリマサービスなど	ハンドメイド作品や不用品の販売ができる

実際に使うときは、次の点を意識してチェックしてみてください。

• 依頼主の評価や口コミがあるかどうか、内容も含めて確認する
• 仕事内容と報酬、納期が具体的に書かれている案件を優先する
• 最初から高額なお金を払わせるような案内は避ける

妊娠中は心も揺れやすい時期なので、「ラクに大金を稼げる」といった甘い宣伝文句には特に注意したいところです。

怪しい在宅ワークを見抜くチェックポイント

在宅ワークを探すときに、「何か違和感があるな」と感じたら、一度立ち止まることが大切です。チェックポイントをまとめておきます。

• 会社名や所在地、連絡先などの基本情報がはっきり書かれていない
• 仕事内容よりも、「どれだけ稼げるか」だけを強調している
• 仕事の内容があいまいなまま、「まずはこの教材を買ってください」とお金を求めてくる
• ネットで会社名を検索すると、悪い評判ばかり出てくる

一つでも心配な点があれば、「今回はやめておこう」と距離を取るのも立派な自己防衛です。特に妊婦さんは、自分と赤ちゃんを守るためにも慎重すぎるくらいがちょうどいいと、私は思います。

産休・育休中の在宅ワークとお金・ルールの基本

副業ルール・就業規則のチェック

会社勤めの妊婦さんが在宅ワークを始めるなら、まずは勤務先のルールを確認しておきたいところです。

• 就業規則に、副業や兼業についての決まりが書かれていないか
• 妊娠中や産休・育休中の働き方に関する注意事項があるか
• 不安な点があれば、人事や上司などに相談できそうか

会社に内緒で在宅ワークを進めると、あとからトラブルになる可能性もゼロではありません。可能な範囲で、ルールを確認したうえで動いた方が落ち着いて働けます。

税金や確定申告のざっくりイメージ

在宅での収入が増えてくると、気になってくるのが税金や確定申告です。細かい条件は人によって変わるので、ここではごく大まかなイメージだけ押さえておきましょう。

• 会社の給与とは別に、在宅ワークの収入が一定額を超えると、確定申告が必要になる場合がある
• パソコンや通信費の一部など、仕事のために使ったお金は「経費」として扱えることがある
• 具体的な判断に迷ったら、税務署に相談したり、専門家にアドバイスをもらう方法もある

最初から税金のルールを完璧に覚える必要はありません。「収入が増えてきたら、そのタイミングで相談しよう」くらいの気持ちで、領収書などをまとめておくところから始めてみてください。

よくある質問：在宅ワーク妊娠中の疑問

Q1. 妊娠中に在宅ワークを始めるタイミングはいつがいいですか？

A. ベストなタイミングは、「自分の体調が比較的安定していると感じられるとき」です。一般的には、中期ごろに在宅ワークを本格的にスタートする方が多いと言われますが、初期からアンケートだけ試す方もいますし、後期はほとんど休むと決める方もいます。大切なのは、「妊娠中だから絶対に働く」「在宅ワークで必ず稼がなきゃ」と無理に考えないことです。心身の余裕がある範囲で少しずつ始める、という感覚を忘れないようにしましょう。

Q2. 在宅ワークでどれくらい稼げたら現実的でしょうか？

A. 妊婦さんの場合、いきなり大きな金額を目標にするより、「まずは月に数千円〜数万円くらい」を目安にしてみるのがおすすめです。慣れないうちは、作業スピードのばらつきも大きく、体調によって働ける日も変わるからです。最初の目的は、在宅で働く感覚に慣れることと、自分のペースを知ること。少しずつ自信がついてきて、「もう少し案件を増やしても大丈夫そう」と感じたタイミングで、単価の高い仕事や長期案件にチャレンジしていくイメージが現実的です。

Q3. 在宅ワーク中に体調が悪くなったらどうしたらいいですか？

A. 何よりも優先したいのは、あなたと赤ちゃんの体です。お腹の張りや出血、強い頭痛やめまいなど、不安な症状が出たら、まずは作業を中断して休みましょう。必要であれば、医療機関に連絡することも検討してください。事前にクライアントとのやりとりの中で、「体調がすぐれないときは作業が遅れる場合があります」と伝えておいたり、納期に余裕のある仕事を選ぶと、気持ちに余白を持って働けます。

まとめ：在宅ワーク妊娠中を味方につけて、無理なく働こう

ここまでの内容を振り返ります

今日からできる最初の一歩として、次の流れを試してみてください。

• 主治医と家族に、「在宅でできる軽い仕事を少しだけしてみたい」と率直に相談する
• 紙やスマホのメモに、「自分ができそうな仕事」と「今は難しそうな仕事」を書き出して整理する
• 在宅ワークの求人サイトやクラウドソーシングに登録し、自分に合いそうな案件がどれくらいあるか眺めてみる

完璧な働き方をいきなり目指す必要はありません。妊娠中は、あなたとお腹の赤ちゃんが元気でいることがいちばん大事。そのうえで、在宅ワークという選択肢を少しずつ味方にしていけば、出産後の働き方にもきっと広がりが生まれてきます。