WordPressのリビジョンが表示されないときの原因と対処法

突然、WordPressの編集画面から「リビジョン」が消えていることに気づくと、思わず手が止まってしまいますよね。

ただ、落ち着いて振り返ってみると、多くのケースは設定やちょっとした勘違いが原因で、順番にチェックしていけば自力で直せることがほとんどでした。

先に一言でまとめると、「リビジョンが見えなくなっても、落ち着いてチェックすればほとんどの場合は戻せる」ので大丈夫です。

ここから一緒に、原因を整理しながら一つずつ解決していきましょう。

WordPressのリビジョンとは？表示されない前に前提を整理しよう

WordPressリビジョンの基本機能とできること

リビジョンは、ざっくり言うと「記事の履歴」を保存しておくための機能です。

過去の状態を一覧で見たり、今の内容と差分を比較したり、必要に応じて前のバージョンに戻したりできます。

よく混同される機能との違いを、まずは表で整理してみます。

項目	主な役割	管理画面での表示のされ方
リビジョン	保存や更新のたびに残る履歴。過去の状態を比較・復元できる	投稿画面のサイドバー付近に「リビジョン ◯件」などと表示
自動保存	編集中の内容を一時的に守るための安全ネット	「自動保存しました」などのメッセージで表示され、履歴として残り続けるとは限らない
バックアップ	サイト全体やデータベースをまるごと保存	プラグインやサーバーの管理画面から操作することが多い

リビジョンが表示されないと感じていても、実際には自動保存のメッセージやバックアップ機能と頭の中でごちゃ混ぜになっていることも少なくありません。

この記事では、「記事の過去バージョンの履歴」としてのリビジョンに話を絞って見ていきます。

リビジョンが表示される場所と条件

リビジョンは、次のような条件を満たしているときに編集画面に表示されます。

ブロックエディターの場合は、画面右側のドキュメント設定やメニューから「リビジョン ◯件」といった表示が見つかるはずです。

クラシックエディターのときは、本⽂エディタの下のメタボックスやサイドバーに「リビジョン」というリンクが出てくることが多いです。

「そもそもどこに表示されるはずなのか」を押さえておくと、「本当に表示されていないのか、見落としているだけなのか」を判断しやすくなります。

リビジョンと自動保存・バックアップの違いを体感しよう

私がWordPressを触り始めたころは、「自動保存されているなら、全部リビジョンが残っているはずだ」と勝手に思い込んでいました。

実際には、自動保存はあくまで一時的な保険で、すべてが履歴として見える形で残るわけではありません。

一方でリビジョンは、保存や更新のタイミングで履歴として残り、あとから差分を比べたり、特定の時点に戻したりできます。

バックアップは、サイト全体やデータベースを丸ごと保存しておくもので、用途もスケールもまったく別物です。

この3つの役割をざっくりイメージしておくだけでも、「今やりたいことはリビジョンで解決できるのか」「バックアップまでさかのぼる必要があるのか」が判断しやすくなります。

wordpress リビジョンが表示されないときの基本チェックリスト

まず確認したい3つの勘違いポイント

「WordPressが壊れたかも」と感じても、よくよく聞いてみると単なる勘違いだった、というケースは本当に多いです。

よくある勘違いと、実際の仕様を表にまとめてみました。

勘違い	実際の仕様	チェックポイント
一度保存しただけでリビジョンが出るはず	履歴として意味が出るのは、基本的に2回以上保存・更新したあと	「下書き保存」「更新」を何度か実行したか
自動保存されていればリビジョンも増えている	自動保存は一時的な保険で、すべてが履歴として残るわけではない	自動保存メッセージとリビジョンの件数表示を混同していないか
どの投稿でも同じようにリビジョンが表示される	カスタム投稿タイプでは、設定によってリビジョンが無効な場合がある	対象の投稿タイプで、他の記事にリビジョンが付いているか

まずは次のような感じで、軽く試してみてください。

• 今編集中の記事で、試しに2〜3回「下書き保存」または「更新」を行う
• 別の記事（投稿や固定ページ）を開いて、そこにリビジョンが表示されているか確認する
• カスタム投稿を使っている場合は、通常の投稿・固定ページではどう見えるかも比べてみる

これだけでも、「サイト全体の問題なのか」「特定の記事や投稿タイプだけの問題なのか」がかなり絞り込めます。

投稿画面の表示オプションで非表示になっていないか

意外な落とし穴として多いのが、自分でリビジョンを隠してしまっているパターンです。

クラシックエディターでは、投稿編集画面の右上に「表示オプション」というタブがあります。

もしチェックが外れていたら、再度チェックを入れてページを更新してみてください。これだけでリビジョンが表示されることもあります。

ブロックエディターでも、表示設定のカスタマイズ次第で情報が見えにくくなる場合があります。

「そもそも非表示設定にしていないか？」という視点で一度画面まわりを見直してみると、あっさり解決することも少なくありません。

記事を2回以上更新しているかどうか

リビジョンは「履歴」なので、1回だけ保存した状態だと、そもそも比較する相手がいません。

そのため、管理画面上でリビジョンの件数がゼロのままだったり、表示されなかったりすることがあります。

次のように試してみてください。

この段階でリビジョンが表示されるようなら、「まだ履歴が足りなかっただけ」というシンプルな話かもしれません。

逆に、何度保存してもリビジョンが見えない場合は、次の章で紹介する設定まわりを疑っていきましょう。

設定・テーマ・プラグインが原因でリビジョンが表示されないケース

wp-config.phpのWP_POST_REVISIONS設定を確認

WordPressには、リビジョン機能の挙動を制御する「WP_POST_REVISIONS」という設定があります。

この値の指定によっては、リビジョンがほとんど残らなかったり、完全に無効になっていたりすることがあります。

FTPやサーバーのファイルマネージャーから wp-config.php を開き、WP_POST_REVISIONS がどのように設定されているか確認してみてください。

おおまかなイメージを、表にまとめておきます。

設定値のイメージ	意味	注意点
WP_POST_REVISIONS = false	リビジョンをすべて無効化	履歴が一切残らないため、過去の状態に戻れなくなる
WP_POST_REVISIONS = 0	実質的にリビジョンをほぼ残さない設定	リビジョンが表示されない原因になりやすい
WP_POST_REVISIONS = 3	各投稿につき3件まで履歴を残す	ほどよく履歴を残しつつ、データベースの肥大化も防げる

false や 0 のような値が入っている場合、リビジョンが出ないのは「仕様どおり」とも言えます。

設定を変えるときは、必ず事前にバックアップを取ってから作業してください。少しでも不安があれば、制作会社や詳しい人に相談してから進めた方が安全です。

テーマやプラグインの競合を切り分ける手順

私が過去に経験したケースでは、データベースの最適化系プラグインが自動的に古いリビジョンを削除していて、「気づいたら履歴がほとんどない」という状態になっていました。

テーマやプラグインはとても便利ですが、組み合わせによってはリビジョン機能と相性が悪くなることもあります。

安全に原因を切り分けるためのステップを、表にまとめてみました。

ステップ	やること	目的
1	すべてのプラグインを一時的に停止する	プラグインが原因かどうかをざっくり判断する
2	公式のデフォルトテーマに一時的に切り替える	テーマ固有のカスタマイズが原因か確認する
3	プラグインを1つずつ有効化しながら挙動を見る	どのプラグインが影響しているか特定する

この順番で試すと、「テーマ側が怪しいのか」「プラグイン側が怪しいのか」がかなりはっきりします。

特に、キャッシュ系・データベース最適化系のプラグインは、設定によってリビジョン削除が有効になっていることがあるので、オプション画面も合わせて確認してみてください。

カスタム投稿タイプでリビジョンを有効にする

通常の「投稿」や「固定ページ」ではリビジョンが表示されるのに、特定のカスタム投稿だけリビジョンが出ない、という相談もよくあります。

この場合は、カスタム投稿タイプを登録するときの設定に、リビジョンのサポートが含まれていないことが原因のことが多いです。

イメージを表にまとめると、次のような感じです。

状況	考えられる原因	解決の方向性
投稿・固定ページではリビジョンが出るが、カスタム投稿では出ない	カスタム投稿登録時に「revisions」がサポートに含まれていない	テーマやプラグインのコードに、revisions のサポートを追加してもらう
特定のカスタム投稿だけリビジョンが表示されない	途中で設定が変わった、または別のプラグインが干渉している	子テーマなどでサポートを追加しつつ、競合しているプラグインを切り分ける

カスタム投稿を多く使っているサイトほど、この設定ミスが原因でリビジョンが表示されないケースが増えます。

制作会社に依頼して構築したサイトであれば、「◯◯というカスタム投稿でリビジョンを使えるようにしたい」と具体的に相談すると、話が早く進みやすいです。

それでもWordPressリビジョンが表示されないときの対処

データベースやサーバー側の問題を疑う場面

リビジョンの情報は、WordPressのデータベースに格納されています。

そのため、次のような状態になっていると、リビジョンがうまく読み出せなかったり、正常に表示されなかったりすることがあります。

phpMyAdmin などのツールを使うと、リビジョンのデータ自体を確認したり、一部を修正したりすることはできます。

ただ、ここは誤操作すると取り返しのつかないトラブルにもつながるため、自信がない場合は無理に触らず、サーバー会社や制作会社に状況を伝えて対応をお願いする方が安心です。

バックアップと復元の基本的な考え方

「リビジョンが表示されないから、もうどうしようもない」と感じるかもしれませんが、バックアップが残っていればまだ手はあります。

バックアップには大きく分けて次のような種類があります。

• レンタルサーバーの機能として自動的に取得されているバックアップ
• バックアップ系プラグインが定期的に保存しているバックアップ
• 管理画面から自分でエクスポートしたデータ

これらのバックアップから、対象となる投稿だけを復元できる場合があります。

ただし、復元作業は「今の状態を上書きする」ことにもつながるため、次の点には十分注意してください。

• 現在の状態も別途バックアップを取ってから作業する
• 可能であれば「投稿だけ」「データベースだけ」など復元範囲を絞る
• テスト環境が用意できる場合は、先にそちらで復元手順を試してみる

リビジョンは日常的な編集履歴、バックアップは「もしものときの保険」と考えるとイメージしやすいです。

両方を上手に組み合わせることで、トラブルが起きたときの安心感がかなり変わってきます。

制作会社・サーバー会社に相談するときのポイント

自分で試せる範囲をひと通りチェックしても、それでもリビジョンが表示されないこともあります。

そのときは、一人で抱え込まずに、制作会社やサーバー会社に相談した方が早くて安全です。

相談するときに、事前に次の情報を整理しておくと話がスムーズです。

• リビジョンが表示されないのは「投稿」「固定ページ」「どのカスタム投稿」か
• 特定の記事だけなのか、同じ投稿タイプ全体で起きているのか
• プラグインを無効化したり、テーマを変更したときに症状が変わったか
• wp-config.php の WP_POST_REVISIONS を変更した記憶があるか
• 利用中のサーバー会社の名称やプラン名

ここまで整理して共有すると、「まずここを確認しましょう」といった形で相手側も原因を絞り込みやすくなり、結果的に解決までの時間も短くなります。

リビジョンが表示された後にやっておきたい設定

リビジョンの件数を制限してサイトを軽くする

リビジョンはとても便利な機能ですが、無制限に増やしてしまうと、データベースがどんどん大きくなっていきます。

そこで、先ほど出てきた WP_POST_REVISIONS を使って、あらかじめリビジョンの上限数を決めておくと安心です。

サイトの規模や更新頻度ごとに、ざっくりした目安を表にしてみました。

サイトの規模・更新頻度	リビジョン上限の目安	コメント
個人ブログで更新はゆっくり	5〜10件程度	直近数回分に戻れれば十分なことが多い
事業サイトで定期的に更新	10〜20件程度	リライトや確認の機会が多いなら少し多めに確保
大規模メディアで頻繁に更新	20件以上＋定期的なクリーンアップ	専門家と相談しながら運用ルールを決めるのがおすすめ

「とりあえず全部残しておけば安心」と感じるかもしれませんが、長く運用していると、そのツケがサイト全体の負荷として返ってきます。

自分のサイトの運営スタイルに合わせて、ちょうど良い上限を決めておきましょう。

不要なリビジョンを整理する方法

すでにたくさんのリビジョンが溜まっている場合は、一度整理してあげるとデータベースがすっきりします。

代表的な整理方法を比較すると、次のようなイメージです。

方法	難易度	特徴
プラグインで削除する	かんたん	管理画面からボタン操作でクリーンアップできる
SQLで直接削除する	むずかしい	柔軟だが、ミスすると取り返しがつかない
何もせず運用を続ける	かんたん	今すぐの手間はないが、将来の負荷につながる可能性がある

技術面にあまり自信がない場合は、実績のある最適化系プラグインを使うのが現実的です。

ただし、削除を実行する前には必ずバックアップを取っておきましょう。誤って必要なデータまで消してしまうリスクをゼロにすることはできません。

チーム運用でリビジョンを活かすコツ

複数人で記事を更新しているサイトでは、「誰が」「いつ」「どんな変更をしたか」を追えることがリビジョンの大きな価値になります。

リビジョンが正しく表示されるようになったタイミングで、運用ルールも整えておくとより安心です。

• 大きな変更をするときは、更新前に編集意図をコメントとして残してから保存する
• タイトルや見出しを大きく変えたときは、リビジョン画面で変更前後を確認する
• 誤って文章を消してしまっても、リビジョンから戻せることをチーム全員で共有しておく

リビジョンは、単に「元に戻すための保険」というだけでなく、チームで記事を育てていくための履歴でもあります。

表示されない問題を解決できたら、ぜひ運用面でもフル活用してみてください。

よくある質問：wordpress リビジョン 表示されないときの疑問

Q1. 新しく作った記事だけ、リビジョンが表示されないのはなぜですか？

A. 新規の記事では、まだ保存や更新の回数が少ないことが原因のことが多いです。

一度も下書き保存していなかったり、1回だけしか保存していないと、リビジョンがほぼゼロの状態なので、画面上にも表示されづらくなります。

次の順番で確認してみてください。

• 本文に1〜2行追加して「下書き保存」する
• さらに内容を少し変えて、もう一度「更新」する
• そのうえで、別の記事（投稿や固定ページ）ではリビジョンが表示されているか比べてみる

これでもリビジョンがまったく表示されない場合は、記事単体の問題というより、設定やテーマ・プラグイン側に原因がある可能性が高いです。

Q2. カスタム投稿だけリビジョンが表示されない場合、どうすればよいですか？

A. カスタム投稿タイプは、設定次第で最初からリビジョンが無効になっていることがあります。

投稿や固定ページではリビジョンが出るのに、特定のカスタム投稿だけ表示されない場合は、その投稿タイプの登録時に「revisions」のサポートが含まれていないことが考えられます。

• サイト制作者や開発会社に、「このカスタム投稿でリビジョンを使えるようにしたい」と相談する
• functions.php などでカスタム投稿を登録している場合は、revisions の設定を追加してもらう

自分でコードを編集するのが不安な場合は、無理をせず専門家に状況を説明して対応をお願いするのがおすすめです。

Q3. wp-config.phpの設定を変えたあと、リビジョンが急に表示されなくなりました

A. WP_POST_REVISIONS の値によっては、リビジョンをほとんど残さない状態にしてしまうことがあります。

「リビジョンが多すぎるから減らしたい」と思って、値を極端に小さくしたり、false を指定したりすると、結果的にリビジョンが表示されない状態になることがあります。

• 最近 wp-config.php を編集していないか思い出してみる
• 心当たりがあれば、その編集内容をいったん元に戻して動作を確認する
• 戻しても直らない場合は、他の設定やプラグインとの組み合わせも含めて見直す

設定ファイルを触るときは、バックアップを取ったうえで慎重に作業することが大切です。不安なときは、早めに制作会社や詳しい人に相談してしまった方が、結果的に安全で早く解決できます。

まとめ：wordpress リビジョン 表示されない時にやること

押さえておきたいポイントを整理します

今日からあなたが最初にやるべき一歩は、「今困っている記事で、保存回数と表示オプションを確認し、別の記事ではどう表示されるかを比べてみること」です。

それだけでも、「サイト全体の問題なのか」「特定の記事や投稿タイプだけの問題なのか」がかなりはっきりして、次に取るべき行動が見えてきます。

あわてずに一つずつチェックして、安心してリビジョンを活用できるWordPress環境を整えていきましょう。