今までWordPressを一人で黙々と更新してきたけれど、そろそろ他の人にも任せたい、でも誤操作やセキュリティが怖くて共同編集に踏み出せない、という人はかなり多いと思います。
WordPressで共同編集したいときのよくある悩み

ここでは、WordPressで共同編集を始めたい人が、どんなことでつまずきやすいのかを整理します。自分がどのパターンに当てはまるかイメージしながら読んでみてください。
WordPressを一人運用から共同編集に変える場面
まずは、よくある状況と悩みをざっくり整理します。
| 状況 | よくある悩みや不安 |
|---|---|
| 社内メンバーに更新を任せたい | 管理画面を触らせて大丈夫か、どこまで触れるようにするか悩む |
| 外部ライターに記事を書いてもらう | ログイン情報の共有が怖い、記事だけ書いてもらえないか知りたい |
| 制作会社やフリーランスと共同運用 | デザインや設定まで触られてしまわないか不安 |
| 既に複数人が同じIDでログイン中 | 誰が何をしたか分からない、事故が起きたときの原因追跡ができない |
私も昔、「とりあえずこれ使って」と管理者IDをそのまま共有してしまい、後から設定が変わったタイミングが分からず、ログとにらめっこしたことがあります。あのときは本当にヒヤッとしました。
こうしたトラブルの多くは、「ユーザーごとにアカウントを作り、権限を分けて運用する」ことでかなり防げます。その前提として、ユーザー権限についてざっくり理解しておくことが大事です。
ID共有ではなくユーザー追加で運用するべき理由
共同編集を始めるときに、一番やりがちなNGが「管理者IDの共有」です。一見手っ取り早く見えますが、次のようなリスクがあります。
- 誰が、どの作業をしたのかログで追いにくい
- 誤操作でテーマやプラグインの設定を変えられてしまう
- パスワード漏えい時に、サイト全体が乗っ取られる危険がある
- 人が辞めたときにパスワードを変えないと、いつまでもログインできてしまう
WordPressには、ユーザーごとにアカウントを作り、細かく権限を振り分けられる仕組みがあります。せっかくの仕組みを活かして、ID共有ではなくユーザー追加で、安心して共同編集できる状態を作っていきましょう。
WordPressのユーザー権限と編集者ロールの基本

ここでは、WordPressのユーザー権限の種類と、「編集者」がどんな立ち位置なのかを整理します。この部分をなんとなくで決めてしまうと、後からトラブルのもとになりやすいので、先にしっかり押さえておきましょう。
WordPressの主なユーザー権限一覧
代表的なユーザー権限は次の通りです。
| 権限名 | できることのイメージ | 向いている人 |
|---|---|---|
| 管理者(Administrator) | サイトのほぼすべての設定変更、ユーザー追加・削除、テーマやプラグイン管理 | サイトオーナー、システム担当者 |
| 編集者(Editor) | 投稿・固定ページの追加、編集、公開、他ユーザーの記事の編集・公開 | コンテンツ責任者、WEB担当者 |
| 投稿者(Author) | 自分の投稿の追加、編集、公開 | 信頼できるライター、社内担当者 |
| 寄稿者(Contributor) | 自分の投稿の追加と編集(公開はできない) | 外部ライター、研修中のメンバー |
| 購読者(Subscriber) | ログインしてプロフィールを管理できる程度 | 会員制サイトのユーザーなど |
この中で、複数人での運用でよく使うのが「編集者」「投稿者」「寄稿者」です。管理者は、テーマ変更やプラグインのインストールなど、サイト全体に影響する操作もできてしまうため、むやみに増やさないのがおすすめです。
編集者ロールでできること・できないこと
WordPressで編集者を追加するときに、「編集者はどこまでできるのか」を知っておくと安心です。ざっくり整理すると、次のようなイメージになります。
編集者ができることの例
- 投稿や固定ページの追加、編集、公開
- 他ユーザーが作成した記事の編集、公開、削除
- カテゴリーやタグの管理
- コメントの管理(承認、削除など)
編集者ができないことの例
- 新しいユーザーの追加や、ユーザー権限の変更
- テーマの変更、テーマファイルの編集
- プラグインのインストールや削除など、一部の設定変更
つまり編集者は、「コンテンツ周りは広く触れるけれど、サイトの根本的な設定は触れない」というポジションです。共同編集をするときに、社内のWEB担当者や信頼できるスタッフに任せるのにちょうどいい権限と言えます。
WordPressで編集者を追加する手順を分かりやすく解説

ここからは、実際にWordPressで編集者ユーザーを追加する流れを、順番に説明していきます。この記事を読みながら手を動かせば、初めての人でも迷わず設定できるはずです。
編集者を追加する前に決めておきたいこと
いきなりユーザーを追加する前に、次のポイントを決めておくとスムーズです。
| 決めておきたいこと | 例 |
|---|---|
| どの作業を任せるか | 記事の執筆だけ、公開まで任せる、画像の差し替えも任せるなど |
| 権限レベル | 編集者にするか、投稿者にするか、寄稿者から始めるか |
| ログイン用メールアドレス | 個人のアドレスか、共有アドレスか |
| パスワード管理のルール | パスワード管理ツールを使うか、定期的に変更するか |
特に、どこまで任せるかによっては「編集者ではなく投稿者や寄稿者の方が安全」というケースもあります。後半でケース別のおすすめ権限パターンも紹介するので、合わせて考えてみてください。
管理画面から編集者ユーザーを追加する手順
実際のWordPressでの編集者追加の流れは、とてもシンプルです。ざっくり次のような手順になります。
- 管理者権限のユーザーでWordPressにログインする
- 管理画面の「ユーザー」メニューを開く
- 「新規追加」をクリックする
- ユーザー名、メールアドレス、パスワードを入力する
- 権限グループで「編集者」を選ぶ
- 必要に応じて、新規ユーザーに通知メールを送る
作成したユーザーには、ログイン用のURLとユーザー名、パスワードを安全な方法で共有します。外部ライターなどに渡す場合は、チャットツールやメールでも、平文のパスワードをそのまま残さない工夫も意識すると安心です。
編集者追加後に行っておきたいチェック
編集者ユーザーを追加したら、次のような点を確認しておくと、後でトラブルになりにくいです。
- 実際に編集者ユーザーとしてログインできるか、自分で一度試す
- 公開済み記事を編集できるか、下書きを保存できるかを確認する
- 不要なメニューが見えすぎていないか、簡単にチェックする
- 記事の書き方や、公開のルールを説明するマニュアルを共有する
ここまでできれば、「とりあえず編集者を作ったけれど、相手がよく分からず放置している」という状態を防げます。初回は少し手間に感じますが、二人目以降はほぼ同じ流れで進められるので、だんだん楽になっていきます。
ケース別のおすすめ権限設計で安全に共同編集する方法

ここでは、WordPressで共同編集をする典型的なケースごとに、「誰にどの権限を渡すと安全か」のパターンを紹介します。自分のチーム構成と照らし合わせながら見てみてください。
社内チームで運用する場合の権限パターン
社内メンバーのみで運用する場合は、次のようなパターンがよく使われます。
| 立場 | おすすめ権限 | 理由 |
|---|---|---|
| サイトオーナー、責任者 | 管理者 | ユーザー追加や設定変更など、最終決定権を持つため |
| WEB担当者、マーケ担当 | 編集者 | 記事の編集、公開、カテゴリ管理などを一手に担える |
| 一般スタッフ、ブログ執筆者 | 投稿者 | 自分の投稿を作成し、公開まで任せたい場合に便利 |
| 研修中のメンバー、試験的に書く人 | 寄稿者 | 下書きまで書けるが、公開は編集者以上が行うので安全 |
最初から全員に編集者を付与してしまうと、誰でも他人の記事を消せてしまう状態になります。「責任を持つメンバーだけ編集者、それ以外は投稿者か寄稿者」というイメージで考えるとバランスが取りやすいです。
外部ライターや外注と共同編集する場合
外部のライターやパートナーとWordPressで共同編集をする場合は、さらに慎重に権限を決める必要があります。おすすめの考え方は次の通りです。
- 外部ライターは「寄稿者」から始める
- 慣れてきて信頼できると感じたら「投稿者」に上げる
- 外部パートナーに編集者を渡すのは、長期的な信頼関係がある場合に限定する
特に寄稿者は、「書くことはできるが、自分では公開できない」という点がポイントです。編集者や管理者が最終チェックをしてから公開するフローにすれば、品質も守りやすくなります。
制作会社やフリーランスに運用を任せる場合
サイトの制作を依頼した会社や、フリーランスのWEB制作者と共同で運用するケースもあります。この場合、次のような分け方がイメージしやすいです。
- 技術的な設定やカスタマイズも含めて任せる → 制作側に管理者、オーナー側にも管理者を残す
- 主に記事更新だけを任せる → 制作側は編集者、オーナー側が管理者
大事なのは、「管理者権限を制作側だけにしてしまわない」ことです。自分自身でも管理者権限のユーザーを必ず残し、いつでも最終的なコントロールを持てるようにしておきましょう。
WordPressを共同編集するときのトラブルと対策

ここでは、WordPressで共同編集するときに起こりがちなトラブルと、その対策を整理します。「想定していなかった」という状態を減らすために、ざっと目を通しておくと安心です。
記事が上書きされた、消えてしまった問題
よくあるのが、「気づいたら自分の修正が消えていた」という上書きトラブルです。原因としては、同じ記事を複数人が同時に編集してしまうケースが多いです。
対策の例は次の通りです。
- 一つの記事を同時に複数人で開かないルールを作る
- 編集する人は、事前にチャットで一言共有する
- 長文になる記事は、一度外部のドキュメントツールで下書きしてから、WordPressに移す
WordPressにはリビジョン機能があり、過去の状態に戻せることも多いですが、できるだけ上書き自体を減らす運用を意識した方が精神的に楽です。
デザインや設定を壊されてしまう問題
もう一つよくあるのが、テーマやウィジェットなど、デザイン周りをうっかり触られてしまうパターンです。特に管理者権限のユーザーが多いほど、このリスクは高まります。
次のような対策が有効です。
- 管理者は最小限にする
- 編集者や投稿者には、テーマ編集やウィジェット設定へのアクセスを与えない
- 重要な設定を変えた場合は、必ずメモやドキュメントを残す
権限設計でかなり防げるので、設計の時点で「誰がどこまで触るのか」を具体的に想像しておくと良いです。
アカウント管理がぐちゃぐちゃになる問題
共同編集を続けていると、知らないうちにユーザーが増えすぎて、誰が誰だか分からなくなることもあります。また、退職した人や契約が終わった外注のアカウントがそのまま残っているのも危険です。
対策としては、次のようなルールがおすすめです。
- ユーザー名は「会社名_名前」など、あとから見て分かる形式にする
- 退職や契約終了のタイミングで、権限を落とすか削除するルールを決めておく
- 一定の間隔でユーザー一覧を見直し、不要なアカウントを整理する
運用ルールを決めておくだけでも、編集者を追加し続けたときの混乱をかなり減らせます。
トラブルと対策を一覧で整理
最後に、ここまでのトラブルと対策を簡単にまとめます。
| よくあるトラブル | 主な原因 | 対策の例 |
|---|---|---|
| 記事の上書き | 同じ記事を複数人が同時に編集 | 同時編集しないルール、チャットで声かけ |
| デザイン崩れ | 管理者権限のユーザーが多すぎる、設定を触られる | 管理者を絞る、編集者以下には設定を触らせない |
| 不明なアカウントが増える | ルールなくユーザー追加、退職者の放置 | 命名ルールの統一、定期的なユーザー整理 |
ページ単位で編集権限を絞りたいときの工夫

ここでは、「全部のページを触らせるのは不安だけど、この部分だけ編集してほしい」というケースに触れます。WordPress標準機能だけだと細かい制御には限界もありますが、考え方を知っておくだけでも運用の幅が広がります。
固定ページだけ編集してほしい場合の考え方
例えば、「ブログ記事は触らなくていいから、会社概要の固定ページだけ修正してほしい」というようなケースです。この場合、完全にページ単位で権限を分けるのは難しいものの、次のような工夫ができます。
- 該当ページだけを担当する編集者を決める
- 他のメンバーには、投稿者や寄稿者権限だけを付与する
- 重要な固定ページは、編集する前に必ずバックアップを取る
「誰がどのページを担当するか」を決めておくだけでも、実質的にページ単位の運用に近づけることができます。私の周りでも、「このページはこの人だけ」という決め方をしているチームは多いです。
プラグインを使う場合のざっくりしたイメージ
より細かくページ単位で共同編集をしたい場合は、権限を拡張するタイプのプラグインを使う選択肢もあります。ここでは具体的なプラグイン名は挙げませんが、考え方としては次のようなイメージです。
| やりたいこと | 考え方の例 |
|---|---|
| 特定ページだけ編集を許可したい | ページごとに「編集を許可するユーザー」を指定できる機能を使う |
| 自分の投稿以外は触らせたくない | ユーザー権限を細かく分けられるプラグインで制限する |
| 特定のカスタム投稿タイプだけ編集させたい | カスタム投稿タイプごとの権限設定に対応したプラグインを選ぶ |
プラグインを使うときは、導入前にバックアップを用意するなど、慎重に進めるのがおすすめです。一度に多くの機能を入れすぎず、「本当に必要な範囲だけ」に絞るとトラブルも減ります。
よくある質問

ここでは、WordPressの共同編集や編集者追加について、よく聞かれる質問にまとめて答えていきます。
Q1. 編集者と投稿者なら、どちらを追加すればいいですか?
A. 任せたい範囲によって変わります。他の人が書いた記事も含めて編集や公開を任せたいなら編集者、自分が書いた記事だけを公開してもらえれば良いなら投稿者が向いています。
共同編集の中でも、「誰が最終的な責任を持つのか」を考えたうえで決めると、後から権限を変える手間が減ります。
Q2. 外部ライターにいきなり編集者を付けても大丈夫ですか?
A. 基本的にはおすすめしません。外部ライターに対しては、まず寄稿者や投稿者で様子を見て、やりとりの中で信頼関係ができてから編集者への変更を検討する流れが安全です。
最初から編集者にしてしまうと、意図せず他の人の記事を編集してしまったり、サイト全体に影響する変更をされてしまうリスクもあります。
Q3. すでに管理者IDを共有してしまっている場合、どうすればいいですか?
A. なるべく早めに、ユーザーごとのアカウントに切り替えるのがおすすめです。まずは共有しているIDのパスワードを変更し、信頼できるメンバーごとに新しいユーザーを作成して、適切な権限を割り振っていきましょう。
一度整えてしまえば、その後の運用やトラブル対応がぐっと楽になります。「今ある状態を一度棚卸しする」と思ってやってみると、気持ちもスッキリします。
まとめ
この記事のポイントを整理します
- WordPressを共同編集するときは、ID共有ではなくユーザーごとのアカウントと権限設計が必須
- 編集者はコンテンツ周りを広く触れるが、設定まで触れない「ちょうどいい」権限
- 編集者を追加する前に、誰にどこまで任せるかを決めておくとトラブルを防げる
- 社内メンバー、外部ライター、制作会社など、立場に応じて権限パターンを変えると安全
- 運用ルールとアカウント整理をセットにすると、長期的に見て管理コストが下がる
今日から取るべき最初の一歩は、「現在のユーザー一覧と権限を見直し、必要な人だけに適切な権限を付与し直すこと」です。そのうえで、新しく関わるメンバーには、最初から個別アカウントを発行して、ルールを共有した状態で共同編集を始めていきましょう。



