WordPressカレンダーの始め方｜迷わない準備と設定7ステップ

「営業日やイベントをカレンダーで見せたいけど、WordPressでどう作ればいいのか分からない…」と悩んでいる人は多いと思います。私も最初は、カレンダー用のプラグインが多すぎて、どれを使えばいいかかなり迷いました。

一言でまとめると、「やりたいことを一つ決めてから、カレンダーの入れ方とプラグインを選ぶのが失敗しない近道」です。

WordPressカレンダーでできることとメリット

WordPressカレンダーを導入すると変わること

WordPressカレンダーを入れると、サイトの「分かりやすさ」と「問い合わせのしやすさ」がぐっと良くなります。イメージしやすいように、導入前と導入後をまとめてみます。

サイトのタイプ	カレンダー導入前	WordPressカレンダー導入後
店舗・サロン	営業日や定休日が文章だけで書かれていて、電話で確認されがち	休業日や混雑しやすい日が一目で分かり、電話問い合わせが減る
教室・スクール	開催日の案内がブログ記事に埋もれ、日程を探しにくい	カレンダーから日程を一覧でき、そのまま申し込みページへ誘導できる
会社・団体サイト	イベント情報がバラバラに掲載されていて、全体像が分かりにくい	全イベントをカレンダーで整理でき、閲覧者が迷わない

私が企業サイトの制作をお手伝いしたときも、カレンダーを設置したあと「開催日を聞く電話がかなり減った」と言われました。見ている人が自分で予定を把握できるようになるので、お互いの手間が減るのが一番のメリットです。

WordPressでカレンダーが必要な人の典型パターン

次のようなケースに当てはまるなら、カレンダー導入の優先度はかなり高いと思ってください。

一方で、会社概要とお問い合わせフォームだけのシンプルなサイトなら、いきなりカレンダーを入れなくても問題ないケースも多いです。カレンダーは、予定や営業日を動かしながら運営しているサイトほど効果が出る機能だと考えておくとイメージしやすいと思います。

WordPressでカレンダーを表示する4つの方法

標準ウィジェットでシンプルなカレンダーを出す

WordPressには、多くのテーマで最初から使える「カレンダー」ウィジェットやブロックがあります。これは、ブログの投稿日をカレンダー形式で表示する、とてもシンプルな機能です。

特徴を整理すると、次のようなイメージです。

項目	内容
できること	投稿した日のリンク付きカレンダー表示
メリット	追加プラグイン不要で、すぐに使い始められる
デメリット	デザインや機能のカスタマイズがほとんどできない
向いている人	ブログ記事の更新日をシンプルに見せたい人

投稿型のブログや、自分の日記的なメディアなら、この標準カレンダーだけで十分なこともあります。ただし、営業日カレンダーや予約カレンダーには向いていないので、その場合は次に紹介するプラグインの出番になります。

プラグインでWordPressカレンダー機能を追加する

もっと柔軟にカレンダーを使いたい場合は、カレンダー系プラグインを入れるのが王道です。プラグインを使うと、次のような用途をかなり細かく作り込めます。

プラグインを使うメリットは、カスタマイズの幅が大きいことです。色やレイアウトの変更、スマホでの表示切り替え、メール通知や外部サービスとの連携など、標準の機能だけでは難しいことも、プラグインなら簡単にできることがあります。

ただ、プラグインを入れすぎるとサイトが重くなったり、他のプラグインやテーマとの相性問題が出ることもあります。カレンダーに限りませんが、「本当に必要な機能に絞って入れる」という感覚は大事にした方がいいです。

GoogleカレンダーをWordPressに埋め込む

すでにGoogleカレンダーで予定を管理しているなら、そのカレンダーをそのままWordPressに埋め込む方法も便利です。このやり方は、プラグインを使わずにカレンダーを表示できるのが大きなメリットです。

一方で、デザインの自由度はあまり高くありません。カレンダーの雰囲気を、サイト全体のデザインにぴったり合わせたい場合は、専用のカレンダープラグインの方が向いていることもあります。

テーマ編集やコードでWordPressカレンダーを自作する

PHPやJavaScriptに慣れている人なら、コードを書いてオリジナルのカレンダー機能を作ることもできます。例えば、次のようなケースでは自作カレンダーの方が合っている場合もあります。

ただし、コードで作るということは、不具合が出たときや仕様を変えたいときにも、自分でメンテナンスをしていく必要があるということです。長期運用を考えると、多くのサイトでは「既存のプラグイン＋軽いカスタマイズ」で十分なケースが多いと感じています。

4つの方法のざっくり比較

ここまで紹介した4つの方法を、比較しやすいように表にまとめます。

方法	難易度	向いている用途	カスタマイズ性
標準カレンダーウィジェット	とても簡単	ブログ記事の投稿日表示	ほぼ不可
カレンダープラグイン	普通	営業日・予約・イベントなど幅広い用途	高い
Googleカレンダー埋め込み	普通	社内スケジュールや共有カレンダーの表示	中程度
コードで自作	難しい	特殊な要件や完全オリジナルデザイン	とても高い

この中から、自分が「これならできそう」「これが一番イメージに近い」と思う方法をひとつ選んで読み進めてみてください。

目的別のおすすめWordPressカレンダープラグイン

営業日・定休日カレンダーに便利なタイプ

店舗やサロン、クリニックなどでよく使うのが「営業日・定休日カレンダー」です。訪問するお客さんからすると、これがあるだけで安心感がかなり違います。

営業日カレンダーで、特にあるとうれしい機能は次のようなものです。

• 休業日のマスだけ色を変えて表示できる
• 不定休にも対応できる（特定日をピンポイントで休みにできる）
• 「臨時休業」「短縮営業」などのメモを日付ごとに入れられる
• スマホでも文字やマスが小さくなりすぎず、タップしやすい

このタイプのプラグインを選ぶときは、「難しい設定をしなくても、直感的に休みが登録できるか」を重視すると運用が楽です。

観点	チェックポイント
管理画面の使いやすさ	カレンダー上をクリックするだけで休業日を設定できるか
デザイン	既存のテーマと雰囲気が合うか、色を変えられるか
表示場所	サイドバーやフッター、固定ページなど好きな場所に設置できるか
メモ表示	「臨時休業」「イベントあり」などの一言を書き込めるか

機能が多すぎる営業日カレンダーは、一見便利ですが、日々の更新が面倒になりやすいです。できるだけ「毎日触ることを前提にしても苦にならないシンプルさ」を大事にしてください。

予約カレンダーに向いているタイプ

次にニーズが多いのが、予約機能付きのカレンダーです。美容室や整体、カウンセリング、個人レッスンなど、時間単位で予約を受け付けるサービスに向いています。

予約カレンダープラグインでは、次のような機能が重要になります。

• カレンダー上で空き枠と埋まっている枠が分かる
• 予約フォームと連動していて、日付と時間を選んでもらえる
• 予約確定時に自動返信メールを送ってくれる
• スタッフやメニューごとの管理ができる

さらに上位のプラグインになると、オンライン決済との連携や、Googleカレンダーとの二重同期ができるものもあります。ただし、機能が増えるほど設定画面も複雑になるので、自分のサービスに本当に必要な機能だけに絞って選ぶのがポイントです。

イベントカレンダーに向いているタイプ

セミナーや勉強会、ライブ、展示会などの予定をまとめて見せたい場合は、イベントカレンダー系のプラグインが向いています。イベント情報を軸にサイトを作るときの定番です。

イベントカレンダー系には、だいたい次のような共通機能があります。

• カレンダー表示とイベント一覧表示のどちらにも対応している
• イベント詳細ページを自動で作成してくれる
• カテゴリーやタグでイベントを絞り込みできる
• 終了したイベントをアーカイブとして残しておける

イベントごとに詳細ページをしっかり作り込むと、検索から個別のイベントページにたどり着いてもらえる可能性も上がります。カレンダーは、その入口として使うイメージです。

WordPressカレンダープラグインの選び方チェックリスト

まずは「何をしたいか」を1つに絞る

WordPressカレンダー選びで一番多い失敗は、「あれもこれもひとつのプラグインでやろうとする」ことです。まずは目的を一つに絞るだけで、候補がかなり絞り込めます。

この中で、自分のサイトで一番大事にしたいことを一つだけ選んでみてください。それが、カレンダープラグインを選ぶときの「軸」になります。

機能・使いやすさ・負荷のバランスを見る

次に大事なのが、「できることの多さ」と「操作の簡単さ」と「サイトの軽さ」のバランスです。どれか一つだけを優先すると、どこかで無理が出てきます。

比較するときは、次のような観点で見てみてください。

観点	目安	チェックの仕方
機能	必要なことが過不足なくできるか	公式説明やスクリーンショットをじっくり確認する
使いやすさ	非エンジニアでも設定を理解できそうか	管理画面の画像や、実際のユーザーレビューを読む
サイトの軽さ	表示速度に悪影響が出ないか	カレンダー以外の機能が多すぎないかを確認する

カレンダーだけに限らず、WordPressのプラグインは「全部入り」を選ぶと、だいたい後で持て余します。必要な機能がそろっている「ちょっと物足りないかな？」くらいが、運用してみるとちょうど良いことが多いです。

日本語対応・サポート・更新状況もチェックする

長く使う前提なら、日本語対応やサポート体制、更新状況も必ずチェックしておきましょう。

カレンダーは、サイトの「顔」のひとつになります。途中で動かなくなると困るので、「信頼して任せられるかどうか」という視点も、ぜひ持っておいてください。

実践編：WordPressカレンダーを設置する基本手順

共通する準備と基本の流れ

どのカレンダープラグインを使う場合でも、おおよそ次のような手順になります。

• プラグインをインストールして有効化する
• 管理画面で基本設定を行う
• ショートコードやブロックを使って、表示したいページにカレンダーを設置する
• 表示を確認して、必要ならデザインや文言を調整する

少し細かく分けると、次のようなステップです。

ステップ	作業内容	ポイント
1	プラグインのインストール	公式ディレクトリから検索し、評価や更新状況も合わせて確認する
2	基本設定	営業日や予約枠、イベントのカテゴリーなど、土台となる情報を登録する
3	カレンダーの設置	固定ページやウィジェットにショートコードや専用ブロックを配置する
4	デザイン調整	カラーや表示形式を、サイト全体の雰囲気に合わせて整える

いきなり本番ページに設置するのが不安な場合は、テスト用の固定ページを作って、そこでカレンダーの表示や動きを試してみるのがおすすめです。

営業日カレンダーを設置する手順のイメージ

営業日カレンダー系のプラグインなら、基本的な流れはとてもシンプルです。ざっくり次のような段取りになります。

私がよくやるのは、カレンダーのすぐ下に「定休日：毎週○曜日」「営業時間：○時〜○時」といった文章も合わせて表示するパターンです。カレンダーで直感的に分かる人もいれば、文字で確認したい人もいるので、両方用意しておくと親切です。

予約カレンダーを設置する手順のイメージ

予約カレンダーは、営業日カレンダーよりも少し設定項目が多くなりますが、流れ自体は同じです。大まかなステップは次のとおりです。

テストのときは、実際に「予約完了メールが届くかどうか」まで必ず確認しておきましょう。サーバーの設定によっては、メール送信がうまくいかないこともあります。その場合は、別途メール送信を補助するプラグインを使うと安定しやすくなります。

Googleカレンダーを埋め込む手順のイメージ

GoogleカレンダーをWordPressに埋め込む場合の基本的な流れは、次のようになります。

• Googleカレンダーの設定画面から、公開用の埋め込みコードを取得する
• WordPress側で、カレンダー表示用の固定ページを作成する
• ブロックエディタの「カスタムHTML」などのブロックに、コードを貼り付ける
• プレビューで、カレンダーが正しく表示されているか確認する

この方法は、「社内で使っているカレンダーをそのまま公開用にも使いたい」という場合に特に便利です。ただし、カレンダーに登録している予定のタイトルや内容がそのまま公開されてしまうので、見せていい情報だけが表示されるように設定には気を付けてください。

WordPressカレンダー運用のコツと注意点

デザイン・スマホ表示・表示速度を意識する

カレンダーは、画面で占める面積が大きいコンテンツです。特にスマホでは、カレンダーが大きすぎると、他の情報が押し出されてしまうことがあります。

• スマホ表示では「月」表示だけでなく「リスト表示」も選べないか
• カレンダーの上に、簡単な説明文や予約ボタンを置けないか
• 営業日と休業日の色の差が分かりやすいか

また、プラグインによっては読み込むファイルが多く、表示速度に影響することもあります。サイトが重いと感じたら、画像の最適化やキャッシュの設定と合わせて、カレンダーの設定も見直してみると良いです。

よくあるトラブルと対処の考え方

WordPressカレンダー周りで起こりやすいトラブルを、簡単に整理しておきます。

起きがちなトラブル	原因として多いもの	対処の方向性
カレンダーが表示されない	ショートコードの記述ミス、テーマとの相性、キャッシュの影響	別テーマでの表示確認、キャッシュ削除、プラグイン設定の見直し
予約メールが届かない	サーバーのメール設定、迷惑メール判定	別のメールアドレスでテスト、SMTPプラグインの導入
スマホで表示が崩れる	テーマのCSSとプラグインのスタイルが競合	プラグイン側で余計なCSSをオフにできないか確認し、必要に応じて子テーマで調整

大事なのは、いきなり本番ページをいじらず、テスト用ページでカレンダーの表示や動きを確認してから切り替えることです。それだけでも、トラブルの多くは事前に防げます。

よくある質問（FAQ）WordPressカレンダー編

Q1. 無料のプラグインだけでWordPressカレンダーは十分ですか？

A. 営業日表示やシンプルなイベント表示だけなら、無料プランのカレンダープラグインで十分なことが多いです。オンライン決済や複雑な予約ルールが必要なときだけ、有料版や上位プランを検討するとバランスが良いと思います。

Q2. WordPressカレンダーを入れるとサイトが重くなりませんか？

A. 機能が多すぎるプラグインを入れると、カレンダーが原因で表示が遅くなることはあります。ただ、必要な機能が絞られたプラグインを選び、画像やキャッシュの最適化も合わせて行えば、ほとんどのサイトでは気にならないレベルにおさえられます。

まとめ：WordPressカレンダーでサイト運営を一歩ラクにしよう

最後に、この記事のポイントをあらためて整理します。

今日からできる最初の一歩は、「自分のサイトでカレンダーに何をさせたいか」を紙やメモアプリに3つほど書き出してみることです。やりたいことがはっきりすれば、必要な機能も自然と見えてきて、プラグイン選びや設定の迷いがぐっと減ります。