WordPressでPDFを埋め込む3つの手順とおすすめ設定

WordPressにPDFを載せたいのに、うまく埋め込めなかったり、スマホでレイアウトが崩れたりして困っていませんか？

私も最初は「とりあえずリンクで貼ればいいか」と思っていたのですが、会社案内や料金表など、きちんと見せたい資料が増えてきてからは、PDFをどう見せるかがすごく大事だと感じるようになりました。

一言でまとめると、「WordPressでPDFを埋め込むときは、標準機能とプラグインを組み合わせて、自分のサイトに合った見せ方を決めるのが一番ラク」というのが結論です。

ここから、私が実際に試してきたやり方や、つまずきやすいポイントも交えながら、順番にお話ししていきます。

WordPressでPDFを埋め込むときに知っておきたいこと

PDFを埋め込むメリット・デメリット

最初に、WordPressでPDFを埋め込むことのメリットとデメリットを並べてみます。

観点	メリット	デメリット
ユーザー体験	ページ内でそのままPDFを読めるので、別タブに移動せずに内容を確認できる	スクロール量が増えやすく、スマホだと読みづらく感じる人もいる
デザイン	チラシやパンフレットをオリジナルのレイアウトのまま見せられる	サイト全体のデザインと色合いが合わないと、浮いて見えることがある
管理のしやすさ	PDFを差し替えるだけで内容をまとめて更新できる	細かい修正でもPDFの作り直しが必要で、テキスト修正より手間がかかる
SEO	PDFの内容も検索結果に出てくる可能性があり、情報発信の窓口が増える	サイズの大きいPDFを埋め込むと、ページの表示速度が落ちるリスクがある
共有	PDF単体でメール添付したり、社内外で配布したりしやすい	一度公開すると、ファイルのコピーが出回りやすく管理が難しい

ざっくり言うと、WordPressでのPDF埋め込みは「完成した資料をそのまま見せたいとき」に強みがあります。

逆に、頻繁に微調整したい内容は、本文をテキスト中心で書きつつ、PDFは「詳しく知りたい人向けの資料」として添えるくらいのバランスがちょうどいいことが多いです。

PDF埋め込みが向いている具体的な場面

次に、PDFを埋め込むと使い勝手が良い場面を、もう少し具体的に挙げてみます。

• 会社案内や事業紹介のパンフレット
• 料金表、コース一覧、メニュー表
• イベントやセミナーのチラシ、フライヤー
• 商品カタログやサービスラインナップの一覧
• マニュアル、取扱説明書、チェックリスト
• 調査レポートやホワイトペーパーなどの資料

こういった資料は、見た目やレイアウトまで含めて伝えたいことが多いので、テキストだけに分解してしまうと、かえって分かりづらくなることもあります。

「文章で要点を説明 → PDFで詳細をじっくり読んでもらう」という二段構えにすることで、ライトな読者にも、しっかり読みたい読者にも対応できるようになります。

PDF埋め込みとリンクの違いを整理しておく

WordPressでPDFを使うとき、よく迷うのが「埋め込むか」「リンクだけにするか」という問題です。

感覚的な違いを、先に伝えておきます。

• 埋め込み：記事の中にPDFビューアを表示して、その場でスクロールして読んでもらう
• リンク：クリックして別タブで開いてもらう、またはダウンロードしてもらう

私は、次のような切り分けをおすすめしています。

• ざっと概要を知りたい人向け：記事本文でテキストや画像中心に解説する
• 細かい数字やレイアウトまで見たい人向け：PDFを埋め込むか、ダウンロードしてもらう

この役割分担を決めておくと、「とりあえず何でもPDFで見せる」という状態を避けられますし、ページも軽く保ちやすくなります。

プラグインなしでWordPressにPDFを埋め込む基本手順

ブロックエディターでPDFファイルブロックを使う

ブロックエディターを使っている場合、いちばん簡単なのが「ファイル」ブロックを使う方法です。

流れを一度整理しておきます。

手順	操作内容	ポイント
1	記事編集画面で「＋」ボタンからブロックを追加する	ブロック検索の欄に「ファイル」と入力するとすぐに見つかる
2	「ファイル」ブロックを選択する	この時点ではまだPDFがなくても大丈夫
3	「メディアライブラリ」または「アップロード」からPDFを選ぶ	あとで探しやすいように、ファイル名は分かりやすいものにしておく
4	ブロック内のリンクテキストやボタンの文言を編集する	「資料をダウンロード」「料金表を開く」など、用件が伝わる言葉にする
5	必要に応じて「新しいタブで開く」設定を切り替える	同じタブで開くと、戻るボタンで迷う読者もいるので注意

この方法は、PDFの中身をページ内にスクロール表示するというより、「PDFへのきれいなリンク＋ダウンロードボタン」を作る形です。

テーマによっては、PDFのアイコンやファイルサイズも自動で表示してくれるので、シンプルに運用したいときにはかなり使いやすいです。

もし「PDFをページ内でそのままめくるように見せたい」という場合は、次に紹介するプラグインのほうがイメージに近いことが多いです。

クラシックエディターでPDFリンクを作る方法

クラシックエディターを使っている場合は、基本的にはテキストリンクとしてPDFへの導線を作る形になります。

ざっくりした操作手順は以下の通りです。

このやり方だと、PDF自体は別タブで開くか、ダウンロードしてもらう形になります。

ボタン風にしたい場合は、ボタン用のショートコードや、テーマが用意しているボタン機能を使い、リンク先としてPDFのURLを指定すると見た目を整えやすいです。

カスタムHTMLでiframe埋め込みを使うときの考え方

もう少し踏み込んだ方法として、PDFをiframeタグで直接ページ内に埋め込むというやり方もあります。

ブロックエディターなら「カスタムHTML」ブロックを追加して、その中にiframeを記述します。

考え方としては、次のポイントを押さえておくとよいです。

• src属性に、埋め込みたいPDFファイルのURLを指定する
• widthとheightで、表示エリアのおおよそのサイズを決める
• 親要素やstyleでmax-widthを指定し、画面からはみ出さないようにする

ただ、iframeを使ったPDF表示は、ブラウザや端末との相性に左右されがちです。

「パソコンのChromeでは見えるのに、スマホの別ブラウザでは白く表示される」といったケースもあるので、実際の端末でチェックしながら使う必要があります。

このあたりの調整が大変に感じる場合は、PDFビューア専用のプラグインを使ったほうが、結果的に時間の節約になることが多いです。

プラグインでWordPressにPDFを埋め込む主な方法

代表的なPDF埋め込みプラグインまとめ

よく名前が挙がるPDF関連プラグインを、ざっくり一覧にしてみました。

プラグイン名	特徴	向いている人
PDF Embedder	シンプルなPDFビューアをショートコードで埋め込める	難しい設定なしで、記事の中にPDFをそのまま表示したい人
EmbedPress	PDFだけでなく、YouTubeやSNSなどもまとめて埋め込める	外部コンテンツの埋め込みを一つのプラグインで管理したい人
PDF.js系ビューア	ページ送りや拡大縮小、検索など、機能が豊富なビューアを提供	カタログやマニュアルなど、じっくり読んでもらう資料が多いサイト
PDF Poster	PDFをカード状のサムネイルで表示し、クリックすると拡大して読める	チラシやパンフレットを、見た目も重視して並べて見せたい人
その他のPDF Viewer系	似た機能のプラグインも多く、細かな設定やデザインがそれぞれ違う	テーマとの相性やデザインの好みで、いくつか試して選びたい人

最初からたくさん試す必要はありませんが、後で紹介するチェックポイントを意識しながら、候補を2〜3個に絞って実際に触ってみるのがおすすめです。

PDF Embedderの基本的な使い方

PDF Embedderは、WordPressでPDFを埋め込むときの定番プラグインのひとつです。

大まかな流れは次のとおりです。

• 管理画面の「プラグイン」からPDF Embedderをインストールして有効化する
• 設定画面で、表示幅や高さ、ツールバーの位置などを好みに合わせて調整する
• 記事編集画面で「メディアを追加」からPDFを選び、ショートコードとして挿入する
• プレビューで見た目を確認し、必要なら幅や高さを微調整する

ツールバーの位置は、個人的には下側に表示する設定が使いやすいと感じています。

ページ送りや拡大ボタンなど、読者が触るボタンがまとまっているので、操作で迷いにくくなります。

スマホでも安定して表示してくれるケースが多く、「どれを使うか迷ったらまず試す」候補として覚えておくと便利です。

EmbedPressなど多機能プラグインを使う場合

EmbedPressのような多機能タイプのプラグインは、PDFだけでなく、動画やSNS投稿、地図など、さまざまなコンテンツをまとめて埋め込めるのが特徴です。

サイト運営を続けていると、「PDF以外の埋め込みも増えてきた」というケースはよくあるので、そういうときには便利な選択肢になります。

一方で、多機能なぶんだけ設定項目も増えがちです。

PDFだけを目的にしていると、不要な機能がオンになったままで、表示速度やトラブルの原因になることもあります。

使うときは、次のようなポイントを意識すると運用しやすくなります。

プラグイン選びのチェックポイント

PDF関連のプラグインは数が多いので、なんとなく名前だけで選ぶと、あとで「更新が止まっていた」「他のプラグインとケンカした」などの理由で入れ替えが必要になることもあります。

そうならないために、最低限チェックしておきたいポイントをまとめました。

項目	確認したいポイント
更新状況	最近もアップデートされているか、メンテナンスされている様子があるか
評価	レビューの数と平均評価、低評価レビューに致命的な不具合が書かれていないか
有効インストール数	利用者がある程度多く、トラブル時に情報を探しやすいか
機能	自分が欲しい機能が過不足なく含まれているか、余計な機能が多すぎないか
相性	利用中のテーマや他のプラグインと競合していないか、テスト環境で確認できているか

特に、会社サイトや店舗のサイトなど、長く運用する前提のWordPressなら、「きちんとメンテナンスされているか」は重要なポイントです。

少しだけ時間をかけて比較することで、後から余計な移行作業をしなくて済むようになります。

WordPressのPDF埋め込みをスマホで見やすくするコツ

スマホで起きやすいトラブルと対処法

スマホでPDFを表示するときによく起きるトラブルと、その対処方法を表にまとめました。

トラブル	状況	対処法の例
PDFが真っ白で表示されない	一部のブラウザや端末で、埋め込み部分が空白になってしまう	別の埋め込みプラグインに切り替える、iframeの場合は他の表示方法を試す
横スクロールが必要になる	ビューアの幅が固定値で指定され、画面幅からはみ出している	幅を%指定にして、親要素やCSSでmax-widthを設定する
文字が小さすぎて読めない	スマホだとPDFの文字がつぶれて、拡大しないと読めない	拡大ボタンが分かりやすいビューアを選び、重要な情報は本文テキストでも説明する
スクロールが長くてつらい	ページ数の多いPDFをそのまま埋め込んでいる	概要は本文に書き、PDFはダウンロードや別タブ表示にして負担を減らす
読み込みが遅い	画像が多く、容量の大きいPDFを埋め込んでいる	PDFを圧縮する、ページを分ける、画像を軽量化して作り直す

パソコンだけで確認していると気づきにくいですが、スマホで実際に触ってみると「これでは読んでもらえないな」と感じる場面は多いです。

少なくとも、メインで見られている端末（iPhoneやAndroidの代表的なブラウザ）では、一度は動作確認をしておくのがおすすめです。

レスポンシブに見せるための考え方

スマホでもストレスなくPDFを読んでもらうには、「レスポンシブにどう見えるか」を意識した設計が大事になります。

具体的には、次のようなポイントを押さえておくと安定しやすいです。

テーマによっては、コンテンツ幅を自動で調整してくれる場合もあります。

その場合は、プラグイン側で幅を細かく指定しすぎないほうが、結果としてきれいに収まることも多いです。

そして何より大事なのは、「PDFだけに情報を詰め込まない」ことです。

重要な結論や、読者が知りたいポイントは、本文テキストでもしっかり書いておくと、スマホでも読みやすい記事になります。

PDFと本文の役割分担を決める

スマホ対応まで考えるなら、WordPressのPDF埋め込みは「本文の補助」として使うくらいの感覚がちょうどいいです。

私がよく採用している形はこんなイメージです。

• 本文：要点の説明、図解、重要な数値の一部を抜き出して解説
• PDF：詳細な数値、細かな条件、全体のレイアウトやデザイン

この形にしておくと、スマホでさらっと読みたい人は本文だけでも内容が分かりますし、じっくり検討したい人はPDFを開いて細部まで確認できます。

「全部をPDFに任せる」のではなく、「本文とPDFで役割を分ける」と考えると、読者目線でちょうどいい落としどころが見つかりやすくなります。

PDF埋め込みとSEO・表示速度・安全性のポイント

PDFとWordPress記事のSEOをセットで考える

PDFの内容も、検索エンジンに認識されることがあります。

そのため、PDFと記事本文をセットで最適化しておくと、情報が届くチャンネルを増やせます。

やっておきたいことを表にまとめると、こんな感じです。

場所	やっておきたいこと
PDFのファイル名	半角英数字とハイフンで、内容が想像できる名前にする（example-price-list.pdf など）
PDF内のタイトル	資料の内容が伝わるタイトルを付け、必要に応じてサイト名も入れる
PDFの本文	画像だけで構成せず、できるだけテキストとしてコピーできる状態にしておく
WordPress記事のタイトル	PDFの内容を要約しつつ、関連キーワードも自然な形で含める
記事の本文	PDFの概要や重要なポイントをテキストで説明し、検索されそうな言葉と結び付ける
内部リンク	関連する記事からPDF付きの記事へリンクを張り、PDF内にも必要であればサイトへのリンクを入れる

たとえば料金表のPDFを埋め込むなら、「料金表そのもの」をPDFで見せつつ、本文側では「料金体系の考え方」や「プランごとの違い」をテキストで丁寧に書いておく、といったイメージです。

こうすることで、検索エンジンにもユーザーにも、より親切なページになります。

表示速度とファイルサイズを意識する

容量の大きいPDFをそのままWordPressに埋め込むと、ページの読み込み速度がどうしても遅くなります。

表示が遅いページは、途中で閉じられてしまうことも多いので、PDFの軽量化は大事なポイントです。

ユーザーが感じるストレスは、「開いてから何も表示されない時間」が長いほど大きくなります。

まずは文章や見出しを表示させておき、その裏でPDFを読み込むようなイメージでレイアウトを組むと、体感的なストレスを減らしやすくなります。

セキュリティと権利の注意点

最後に、PDFをWordPressで公開するときのセキュリティや権利面の注意点も触れておきます。

一度ネットに公開されたPDFは、どこかで保存されてしまうと完全に回収することは難しくなります。

公開前に簡単なチェックリストを用意しておき、「このPDFを一般公開して本当に問題ないか」を毎回確認する習慣をつけておくと安心です。

よくある質問（WordPressのPDF埋め込みQ&A）

Q1. WordPressにPDFを埋め込んだのに、スマホで真っ白になります

A. PDFビューアやブラウザとの相性が原因になっている可能性があります。

WordPress側だけを見ていても分かりにくいので、次のポイントを順番に確認してみてください。

• 別のPDF埋め込みプラグインを試して、表示が変わるかどうかを見る
• iframeで埋め込んでいる場合は、プラグイン方式に切り替えてみる
• キャッシュ系やセキュリティ系のプラグインと競合していないか確認する
• どうしても解決しない場合は、スマホだけリンク表示に切り替えることも検討する

スマホでは、PDFを「埋め込んで表示する」より「リンクやボタンから開いてもらう」ほうがスムーズなケースも多いです。

理想の形に固執しすぎず、読者がストレスなく読める方法を選ぶのがおすすめです。

Q2. PDFを埋め込むと、WordPressのページが重くなりませんか

A. PDFのサイズや作り方によっては、ページが重くなることがあります。

特に、画像だらけのPDFや、ページ数が多いPDFをそのまま埋め込むと、読み込みに時間がかかりがちです。

対策としては、次のようなことを意識してみてください。

• PDFの容量をできるだけ小さくしてからアップロードする
• 記事の上部にはテキストの要約を置き、PDFの埋め込みは少し下に配置する
• 場合によっては、埋め込みをやめてサムネイル画像＋リンクの形に切り替える

ページの重さが気になるときは、「埋め込みで見せる必要が本当にあるページか」を一度見直してみると、優先順位が整理しやすくなります。

Q3. WordPressでPDFを埋め込んだほうが、SEO的に有利になりますか

A. PDFを埋め込んだからといって、それだけで大きくSEOが有利になるわけではありません。

ただし、PDFの中にテキストがきちんと入っていれば、その内容が検索結果に出てくる可能性はあります。

大事なのは、次のようなポイントです。

• 記事本文で、読者の疑問にしっかり答える内容を書いているか
• PDFのファイル名やタイトルが、内容に合った分かりやすいものになっているか
• 本文とPDFの両方を使って、情報を過不足なく伝えられているか

「PDFを置いておけば安心」という考え方ではなく、「本文とPDFを組み合わせて価値を届ける」という視点で設計すると、結果的に検索からも評価されやすいページになっていきます。

まとめ：WordPressでPDFを埋め込んで資料を活用しよう

最後に、このページでお伝えした内容を簡単に振り返ります。

今日からできる最初の一歩としては、まず自分のサイトの中で「PDFを使っているページ」を一覧にしてみてください。

そのうえで、次の順番で少しずつ改善していくのがおすすめです。

• サイズの大きいPDFがあれば、圧縮して軽くするか、分割する
• 大事なページには、プラグインやファイルブロックを使って、PDFの見せ方を整える
• スマホでの見え方を実機でチェックし、読みづらいところは本文テキストを増やす

この流れで少しずつ整えていけば、WordPressとPDFをうまく組み合わせながら、読者にも検索エンジンにも伝わりやすいページを作っていけるはずです。

難しく考えすぎず、一つひとつ試しながら、自分のサイトに合ったPDFの見せ方を育てていきましょう。