WordPressを入れたいけど「このサーバーやPCで本当に大丈夫かな?」と不安になったことはありませんか。私も最初は「なんとなく動いているからいいか」と放置していて、あとから表示速度やエラーで冷や汗をかいたタイプです。
1. WordPress推奨環境・推奨スペックをざっくり整理しよう

まずは「どこまで分かっていれば安心か」をざっくり整理します。この章だけ読めば、ざっくりとしたゴールが見えるようにしておきます。
1-1. WordPress公式が示す推奨環境の全体像
WordPress本家が案内している「おすすめの環境」は、ざっくり言うと次の3つが柱です。
| 項目 | 推奨される内容のイメージ | ポイント |
|---|---|---|
| PHP | 8系の新しめのバージョン | 数字が大きいほど新しく、高速・高機能 |
| データベース | MySQL 8系 または MariaDB 10系以上 | 5系など古いDBは避けた方が安全 |
| HTTPS | SSL証明書で暗号化された通信 | 「http://」ではなく「https://」で表示される |
つまり「新しめのPHP」「新しめのMySQLまたはMariaDB」「HTTPS対応のサーバー」が、WordPressの推奨環境の大枠だと覚えておけばOKです。
1-2. 「動く環境」と「快適な推奨環境」は違う
よくある勘違いが「とりあえずインストールできた=条件クリア」と思ってしまうことです。
実際には、次のような差があります。
| 種類 | イメージ | リスク |
|---|---|---|
| 動作環境 | なんとか動く最低ライン | 表示が遅い・エラーが出やすい・セキュリティが弱い |
| 推奨環境 | 余裕を持って快適に動かせるライン | 速度・安定性・安全性のバランスが良い |
イメージとしては「ギリギリ動く中古PCで重いゲームをする」のと「推奨スペックのゲーミングPCで遊ぶ」くらいの差があります。WordPressも同じで、推奨環境に近づけるほどトラブルは減りやすくなります。
2. サーバー側のWordPress推奨環境を詳しく解説

ここからは、サーバー側のWordPress推奨環境をもう少し細かく見ていきます。PHP・データベース・HTTPS・Webサーバーの4つを押さえておけば、かなり安心です。
2-1. PHPのバージョンとメモリ制限
PHPは、WordPress本体を動かしているプログラミング言語です。ここをケチると、あとから表示速度やエラーで泣くことになります。
押さえておきたいポイントは2つです。
- なるべく新しめの8系を使う
- メモリ制限(memory_limit)は最低でも128MB以上、できれば256MB以上
PHPはバージョンが新しいほど、
- 処理が速い
- セキュリティの穴が塞がれている
- プラグインやテーマとの相性が良くなる
といったメリットがあります。逆に、7系など古いバージョンだと、公式サポートが切れているものも多く、脆弱性が見つかっても修正されないことがあります。
多くのレンタルサーバーでは、コントロールパネルからPHPのバージョンを選べます。「PHPの設定」「PHPバージョン切り替え」といったメニューがあれば、そこで8系の新しめのバージョンを選んでおくのがおすすめです。
2-2. MySQL / MariaDBなどデータベースの推奨スペック
データベースは、記事本文やユーザー情報、設定などを保存しておくための場所です。WordPressでは主にMySQLかMariaDBが使われます。
ここも、あまり古いバージョンを使い続けるのはおすすめできません。目安として、次のように考えておくと良いです。
- MySQLなら8系、少なくとも5.7以降を目安にする
- MariaDBなら10系以上を目安にする
- 文字コードはUTF8MB4(絵文字も扱える)を使える環境だと安心
古いデータベースを使い続けると、
- 管理画面や表示が遅くなる
- 大きなテーブルでエラーが起きやすい
- 文字化けや絵文字まわりのトラブルが出る
といった問題が出てきます。サーバーの管理画面やphpMyAdminなどで、バージョンと文字コードの設定を一度チェックしておきましょう。
2-3. HTTPS・Webサーバー(Apache / Nginx)まわり
WordPressの推奨環境を語るうえで、HTTPS対応はもはや必須と言っていいレベルです。
- 無料のSSL証明書(Let’s Encryptなど)を使えるか
- 証明書が自動更新されるか
- 管理画面も含めて「https://」でアクセスできるか
このあたりを満たしていないと、ブラウザに「保護されていない通信」などの警告が出たり、SEO面で不利になったりします。
また、WebサーバーとしてはApacheかNginxがよく使われています。
- Apache:設定が分かりやすく、共有レンタルサーバーでよく使われる
- Nginx:高速で、アクセスが多いサイトに向いている
どちらか一方にこだわる必要はありませんが、「PHPのバージョンが新しい」「HTTPS対応ができている」サーバーを選ぶのが最優先です。
3. サイト規模別のWordPress推奨スペック(サーバー編)

ここからは、もう少し具体的に「どれくらいのスペックなら安心か」を、サイトの規模別に見ていきます。WordPressの推奨スペックをイメージしやすくするために、ざっくりした目安表も用意しました。
3-1. 月間PV別のサーバースペック目安
レンタルサーバーのプラン表を見ると、CPUコア数やメモリ容量が書いてありますが、数字だけ見てもピンと来ない人が多いと思います。そこで、ざっくりした目安を作ってみました。
| サイト規模・用途 | 月間PVの目安 | メモリ(サーバー側) | CPUコア数の目安 | ストレージの目安 |
|---|---|---|---|---|
| 個人ブログ・小規模サイト | 〜5万PV | 1〜2GB | 1〜2コア | 50〜100GB(SSD) |
| 中小企業サイト・小さめメディア | 5万〜30万PV | 4GB前後 | 2〜4コア | 100〜200GB(SSD) |
| 大きめのメディア・ECサイト | 30万PV以上 | 8GB以上 | 4コア以上 | 200GB以上(SSD/NVMe) |
あくまで目安ですが、私が制作案件でサーバーを提案するときも、だいたいこの辺りを基準にしています。アクセスが伸びてきたら、1つ上のクラスに移行するイメージです。
3-2. プラグイン数・テーマの重さで変わる負荷
サーバーのWordPress推奨スペックは、PVだけでなく「どんなテーマ・プラグインを使うか」によっても変わります。
例えば、
- ページビルダー系の重いテーマ
- 画像圧縮やセキュリティなど、常に動き続けるプラグイン
- 多言語化、会員制、EC機能などの大型プラグイン
こういった機能を盛り込むほど、CPUやメモリへの負荷は増えます。
| 構成イメージ | プラグイン数目安 | 負荷のイメージ | サーバースペックの考え方 |
|---|---|---|---|
| シンプルなブログ(軽量テーマ) | 10個前後 | 低〜中 | 前の表より少し下でもなんとかなる |
| 企業サイト(フォーム・LP複数) | 15〜25個 | 中 | 前の表の目安をそのまま採用 |
| 会員制・EC・多言語を含むサイト | 30個以上 | 高 | 1ランク上のプランを検討 |
ざっくり言うと「テーマとプラグインを盛れば盛るほど、サーバーもそれに合わせて強くする必要がある」と考えておくと分かりやすいです。
4. 作業用PCのWordPress推奨スペック

ここからは、サーバーではなく「手元のPC」の話です。WordPress自体はサーバーで動くので、PCのスペックは「どれだけ快適に作業できるか」に直結します。
4-1. 文章メインならこのPCスペックでOK
まずは、ブログ執筆や簡単な画像加工が中心の人向けに、WordPressの作業にちょうどいいPCスペックの目安をまとめます。
| 用途イメージ | CPUの目安 | メモリの目安 | ストレージの目安 | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 文章中心のブログ運営 | Core i3 / Ryzen 3 相当以上 | 8GB | SSD 256GB以上 | ブラウザ+簡単な画像編集程度なら十分 |
| 画像多めのブログ・Web制作 | Core i5 / Ryzen 5 相当以上 | 16GB | SSD 512GB以上 | タブを多く開いても比較的快適 |
私も、以前はメモリ4GBの古いノートPCでブログを書いていましたが、ブラウザのタブを10個くらい開くだけで動きがカクカクになりました。メモリ8GB・SSD搭載のPCに変えたら、それだけで執筆スピードがかなり上がりました。
4-2. 画像・動画も扱うならどこまで盛るか
もし、
- アイキャッチ画像を自分でしっかり作り込みたい
- YouTube用の動画編集も同じPCでしたい
といった使い方をするなら、もう一段階スペックを上げた方が安心です。
イメージとしては、
- CPU:Core i5〜i7 / Ryzen 5〜7 相当
- メモリ:16GB以上
- ストレージ:1TB前後(動画を扱うなら外付けストレージも検討)
ここまであれば、WordPressの作業で困ることはほとんどありません。画像編集や動画編集ソフトを立ち上げても、管理画面の操作がもたつきにくくなります。
5. 自分の環境がWordPress推奨環境を満たしているかチェック

ここまで読んで「自分の環境は大丈夫かな…?」と思った人もいるはずです。この章では、サーバーとPCそれぞれのチェック方法をまとめます。
5-1. サーバー側の確認方法
まずはサーバー側のWordPress推奨環境を確認してみましょう。代表的なチェックポイントを表に整理しました。
| チェック項目 | 確認方法の例 | 見るべきポイント |
|---|---|---|
| PHPバージョン | コントロールパネルの「PHP設定」など | 8系の新しめのものを選べるか |
| データベースバージョン | phpMyAdminや「データベース情報」画面 | MySQL 8系 / MariaDB 10系以上か |
| HTTPSの有無 | ブラウザのアドレスバー、証明書情報 | アドレスが「https://」で始まっているか |
レンタルサーバーによって画面は違いますが、「サーバー情報」「PHP設定」「データベース」などのメニューをたどっていけば、だいたいの情報は確認できます。
5-2. WordPress管理画面で確認できる項目
WordPressの管理画面からも、ある程度環境を確認できます。
- ダッシュボード → ツール → サイトヘルス
- 「情報」タブを開くと、環境情報が一覧表示される
ここで、
- WordPress本体のバージョン
- PHPのバージョン
- データベースの種類とバージョン
- HTTPSになっているかどうか
などがまとめて確認できます。さきほどの推奨環境の目安と見比べてみてください。
5-3. もし推奨環境を満たしていなかったら
もしチェックしてみて、
- PHPが古い
- データベースが古い
- HTTPSになっていない
といった状態だった場合は、できるところから順番に整えていきましょう。
対応の順番の一例です。
- HTTPS対応(SSL化)を済ませる
- PHPバージョンを8系の新しめのものに上げる(事前にバックアップ必須)
- 可能ならデータベースのバージョンアップやサーバー移転を検討する
私も、PHPのバージョンを上げたときに、古いプラグインがエラーを出した経験があります。
- 事前にバックアップを取る
- 本番の前にテスト環境で試す
- 問題が出たら、該当プラグインをアップデート・乗り換えする
この3つを意識しておけば、致命的なトラブルはかなり避けやすくなります。
6. よくある質問(WordPress推奨環境・推奨スペック)

ここでは、実際によく聞かれる「WordPressの推奨環境・推奨スペック」に関する質問を、Q&A形式でまとめます。
Q1. WordPressの推奨環境を満たしていなくても、すぐには問題ありませんか?
A. いきなりサイトが真っ白になる、というケースは多くありませんが、おすすめはできません。
動作環境ギリギリのままだと、
- 表示速度が遅くなる
- プラグインやテーマのアップデートで突然エラーが出る
- セキュリティの弱い状態が続く
といったリスクがあります。
とくに、PHPやデータベースが古いままなのは危険度が高めです。余裕があるタイミングで、できるだけ推奨環境に近づけておくことをおすすめします。
Q2. 無料ブログみたいに軽く使うだけなら、WordPressの推奨スペックはそこまで気にしなくていいですか?
A. PVが少ないうちは、サーバーのスペックはそこまでシビアにならなくても大丈夫です。ただし「PHPのバージョン」と「HTTPS対応」の2つだけは、最初からWordPress推奨環境を意識しておいた方がいいです。
理由は、あとからアクセスが増えたり、プラグインを増やしたりしたときに、
- 環境を大きく変えなくて済む
- SEOや安全性の面でも安心
というメリットがあるからです。将来の手間を減らすためにも、最低限の推奨スペックは最初から押さえておきましょう。
Q3. ノートPCが古いのですが、WordPressの作業用に買い替えるべきでしょうか?
A. ブログ執筆がメインであれば、まずは今のPCで試してみて、
- ブラウザを2〜3個開くとすぐ重くなる
- 画像を少し加工するだけでフリーズする
といった状況なら、WordPressの作業を意識した推奨スペック(CPUはCore i3相当以上・メモリ8GB以上・SSD)を満たすPCに買い替えるのをおすすめします。
PCのスペックが足りないと、
- 管理画面の操作がもたつく
- 画像アップロードや圧縮に時間がかかる
など、作業効率が大きく落ちます。サーバーのWordPress推奨環境を整えるのと同じくらい、PCの推奨スペックも意識しておくと、日々の作業がかなり楽になります。
7. まとめ:WordPress推奨環境・推奨スペックを整えて、安心して育てよう
この記事のポイントを整理します
- WordPressの推奨環境は「新しめのPHP」「新しめのMySQLまたはMariaDB」「HTTPS対応」の3本柱
- サーバーの推奨スペックは「サイト規模」と「テーマ・プラグインの重さ」で決まる
- 作業用PCの推奨スペックは「CPUはCore i3相当以上+メモリ8GB以上+SSD」がひとつの目安
- サイトヘルスやサーバー管理画面から、推奨環境を満たしているか簡単にチェックできる
- 動作環境ギリギリではなく、推奨環境寄りにしておくことで、速度・安定性・安全性がぐっと上がる
今日から取るべき最初の一歩としては、
- まずはサーバーの管理画面とWordPressのサイトヘルスを開いて、PHP・データベース・HTTPSの状態を確認する
- 推奨環境から外れているところがあれば、バックアップを取りつつ、PHPのバージョン変更やHTTPS対応から着手する
- それでも動作が重いと感じるなら、サーバープランとPCスペックの見直しを検討する
この3ステップを進めていけば、「なんとなく動いている不安なWordPress」から「安心して育てていけるWordPress」に変えていけます。少しずつでいいので、自分の環境をWordPressの推奨環境・推奨スペックに寄せていきましょう。



