副業はいくらまで安心？20万以下と扶養・年収の壁を守る6つのルール

副業を始めるとき、「副業はいくらまで稼いでいいんだろう」「副業が20万以下なら何もしなくていいのかな」と不安になる人は多いと思います。私も最初に副業を始めたとき、まさに同じことで悩みました。

この記事では、「副業はいくらまでが目安になるのか」「副業の収入が20万以下なら本当に申告しなくていいのか」といったモヤモヤを、できるだけ分かりやすく整理していきます。

この記事を読むと分かること

副業でいくらまで稼ぐと税金や住民税の申告が必要になりそうかの目安
副業の所得が20万以下でも注意したいポイント（会社バレや扶養・年収の壁など）
自分の立場ごとに「副業はいくらまでが安心ラインか」を考えるためのチェック方法
副業の金額に関係なく、最低限やっておきたいお金と帳簿の管理のコツ

先に一言で結論をいうと、「副業の所得が20万以下だからといって完全ノーケアでいいわけではなく、自分の立場に合った“いくらまで”のマイルールを決めて動くのが安心」です。

副業はいくらまでOK？まずは全体の結論から整理しよう
副業20万以下と「20万円ルール」の本当のところ
扶養と年収の壁から見る副業はいくらまでが安全か
副業はいくらまでなら会社にバレない？仕組みと対策
ケース別で見る副業いくらまでシミュレーション
副業20万以下でも必須のお金管理と帳簿のコツ
よくある質問：副業いくらまで・副業20万以下の疑問
まとめ：副業はいくらまで稼ぐかは「自分の基準」を決めよう

副業はいくらまでOK？まずは全体の結論から整理しよう

ごとう

最初に、「そもそも副業はいくらまで稼いだらアウトなのか？」という大きな疑問をざっくり整理しておきます。細かい税金の話に入る前に、「どんな軸で考えるとスッキリするか」をイメージしておきましょう。

副業「いくらまで」を決める4つの基準（副業20万以下も含めて）

副業はいくらまでなら安心かを考えるとき、大きく分けて次の4つの基準があります。

所得税（確定申告が必要になるかどうか）
住民税（副業の利益を自治体に申告する必要があるかどうか）
扶養・年収の壁（いわゆる◯◯万円の壁に近づいていないか）
会社の就業規則と会社バレのリスク

ざっくりまとめると、こんなイメージです。

基準	ざっくり見るポイント
所得税（国の税金）	副業の「所得」が20万を超えるかどうかが一つの目安
住民税（自治体の税金）	副業で利益が出ていれば、金額にかかわらず申告が必要になるケースが多い
扶養・年収の壁	本業と副業の合計収入が、各種の「壁」に近づいていないか
会社の就業規則・バレ対策	副業禁止か、条件付きでOKか、住民税でバレやすくならないか

この時点で、「副業はいくらまでなら絶対セーフ」という単純な話ではなく、いくつかの観点から見ていく必要があると分かればOKです。このあと、それぞれの基準を少しずつ深掘りしていきます。

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副業20万以下と「20万円ルール」の本当のところ

ごとう

ここでは、「副業の所得が20万以下なら確定申告はいらない」と言われる、いわゆる20万円ルールについて整理します。言葉だけが一人歩きしやすいので、前提を軽く押さえておきましょう。

「収入」ではなく「所得」が20万以下かどうか

まず大事なのは、「副業20万以下」と口にするとき、多くの人が「収入」で考えてしまっていることです。税金の計算では、「収入」と「所得」は別物として扱われます。

収入：副業で受け取ったお金の総額
経費：その収入を得るために必要だった支出
所得：収入から経費を引いた利益の部分（収入 − 経費）

20万円ルールで見るのは、この「所得」が20万を超えるかどうかです。イメージしやすいように、簡単な例にすると次のようになります。

項目	意味	例
収入	もらったお金の総額	副業ライターとして原稿料を30万円受け取った
経費	副業のために使ったお金	書籍代や通信費、取材の交通費などで10万円かかった
所得（収入−経費）	税金のもとになる利益部分	30万円 − 10万円＝ 20万円（ここが20万以下かどうかを見る）

この所得が20万を超えると、一般的な会社員の場合は所得税の確定申告が必要になる可能性が高くなります。逆に、収入が30万円あっても経費が15万円かかれば所得は15万円なので、「20万以下」の範囲に収まる、という考え方になります。

副業20万以下でも確定申告したほうがいいケース

「所得が20万以下なら確定申告はいらない」とだけ覚えてしまうと、何もしなくていいような気がしてしまいますが、実際にはそうとも限りません。あえて確定申告したほうが得になるケースもあります。

例えば、次のようなパターンです。

副業の報酬から、あらかじめ所得税が源泉徴収されている（原稿料や講師料など）
医療費控除やふるさと納税など、別の理由で確定申告をする予定がある
経費が大きく、副業だけ見ると赤字になっている（本業の税金を少し減らせる可能性がある）

報酬明細に「源泉徴収税額」と書かれている場合、そのままだと税金を多く払いすぎていることがあり、確定申告をすることで一部が戻ってくるケースもあります。所得を20万以下に抑えたいかどうかとは別に、「税金を払い過ぎていないか」という視点で一度検討してみるのがおすすめです。

副業20万以下と住民税：1円でも申告が必要なことがある理由

もう一つよくある勘違いが、「所得が20万以下なら、住民税も何もしなくていい」という考え方です。実際には、20万円ルールはあくまで所得税（国税）の話であって、住民税（地方税）には同じルールがありません。

イメージとしては次のような違いがあります。

税金の種類	副業の所得が20万以下の場合の扱い（イメージ）
所得税	一定の条件を満たす給与所得者なら、所得が20万以下の場合は確定申告が不要になるケースがある
住民税	副業で利益が出ている場合、原則として自治体に住民税の申告が必要とされている

つまり、「所得が20万以下だから税金に関しては全部何もしなくていい」と思い込んでしまうと、住民税の申告漏れという落とし穴にはまりやすくなります。副業で黒字が出ているなら、所得税だけでなく住民税の扱いも一度確認しておいたほうが安全です。

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扶養と年収の壁から見る副業はいくらまでが安全か

ごとう

ここからは、「家族の扶養に入っている」「配偶者控除を受けている」といった人の副業はいくらまでが目安になりそうかを見ていきます。いわゆる「年収の壁」と呼ばれるラインが関係してくる部分です。

いわゆる「103万円の壁」「130万円の壁」ってなに？

ニュースなどでよく耳にする「103万円の壁」「130万円の壁」という言葉は、ざっくりいうと「ここを超えると税金や社会保険の扱いが変わる目安」です。細かい条件は人によって違いますが、イメージをつかむために代表的なものだけ整理しておきます。

呼び方	ざっくりしたライン	主な影響のイメージ
103万円の壁	給与収入が約103万円	本人に所得税がかかるかどうかの目安になる
住民税の壁	給与収入が約100万円前後	住民税がかかるかどうかの目安（自治体によって差がある）
130万円の壁	年間収入が約130万円	社会保険の扶養から外れて、自分で保険料を払う可能性が出てくる
いわゆるパートの壁	100〜150万円台	配偶者控除や配偶者特別控除の金額が変わってくるゾーン

ここで大事なのは、「本業の収入＋副業の収入の合計」でこれらの壁を超えるかどうかを見る、という点です。副業はいくらまでなら安全かを考えるときは、本業の見込み年収とセットで考えるのが現実的です。

配偶者控除・扶養に入っている人の副業いくらまで

専業主婦（主夫）や、パートで働きつつ配偶者控除・扶養に入っている人の場合、「配偶者の税金が増えないようにしたい」という気持ちも強いですよね。この場合の副業いくらまでは、次のようなポイントで整理すると分かりやすくなります。

本業パートの収入と副業収入を足したとき、どの壁に近いのか
配偶者控除・配偶者特別控除をどのくらい使えているのか
社会保険の扶養から外れるラインに近づいていないか

例えば、本業のパート収入がすでに壁ギリギリのところまで来ている人が、副業でさらに収入を増やすと、手取りが思ったほど増えないどころか、条件によっては逆に減ってしまうこともあります。その場合は、「副業を増やす」のではなく、「本業と副業のバランスを組み替える」という考え方も選択肢になります。

社会保険の壁とパート・アルバイト副業

社会保険の扶養に入っている人にとっては、「社会保険の壁」もかなり重要です。ここを超えて自分で社会保険に入ると、健康保険や年金の保険料負担が増え、手取りが大きく変わることがあります。

勤務時間や勤務日数、会社の規模などで「扶養から外れるかどうか」の基準が変わる
本業と副業の両方の勤務時間をトータルで見られるケースもある
パート先や健康保険組合によって運用が違うことも多い

パートやアルバイトの副業を考えている場合は、勤務先の就業規則や健康保険組合の案内を一度しっかり読んでおくと安心です。「扶養から外れるなら、その分思い切って稼いだほうがトータルで得」というケースもあるので、「いくらまでを守るか」だけでなく、「どれくらい稼ぐなら割り切るか」という視点も持っておきたいところです。

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副業はいくらまでなら会社にバレない？仕組みと対策

ごとう

次に、多くの人が気にしている「副業はいくらまでなら会社にバレないのか」というテーマを見ていきます。結論としては、金額だけで白黒つく話ではなく、住民税の処理や働き方でバレやすさが変わる、というイメージに近いです。

住民税から副業がバレる仕組み

会社に副業が知られてしまう一番ありがちなパターンは、「住民税の金額がおかしい」と気づかれるケースです。会社員の住民税は、多くの場合、翌年の給与から天引きされる形で納めますが、そのときの金額で違和感を持たれることがあります。

本業の給与に対して、住民税の額だけが不自然に高くなっている
前年と比べて給与はあまり変わっていないのに、住民税だけ急に増えている

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これは、税務署から会社に送られる住民税の通知が、本業だけでなく副業の所得も含めた「合計の所得」をもとに計算されているためです。副業の金額が20万以下かどうかに関係なく、住民税の扱い方によっては会社に副業の存在が伝わる可能性があります。

「副業禁止」でも副業20万以下なら安心？の誤解

就業規則で「副業禁止」とされている会社でも、「少額だし20万以下なら大丈夫でしょ」と考えてしまいがちですが、これはかなり危険な発想です。

会社が問題にするのは「金額」ではなく「副業をしている事実」そのもの
副業20万以下でも、本業への支障や体調不良などがあれば指導の対象になり得る
競合他社で働く副業や、会社の情報を利用するような副業は金額に関係なくNGになりやすい

「副業はいくらまでならセーフか」という金額の話だけに意識が向くと、会社のルールが本来守ってほしいポイントを見落としがちです。リスクを本気で減らしたいなら、「会社に迷惑をかけない」「競合しない」「就業時間中は副業をしない」といった基本を押さえたうえで、必要に応じて会社に相談するのが現実的です。

会社にバレにくくするための3つのチェック

「絶対にバレない方法」はありませんが、不用意にバレやすくしてしまうのは避けたいところです。副業の金額にかかわらず、最低限チェックしておきたいポイントをまとめると次のようになります。

チェック項目	具体的に意識したいポイント
就業規則の確認	副業禁止なのか、事前申請制なのか、条件付きでOKなのかを必ず読む
副業の内容	本業と競合していないか、会社の信用を落とす内容ではないかを考える
時間と場所	勤務時間中や会社のPC・回線・備品を使って副業をしていないかを振り返る

特に、本業とまったく違うジャンルで、休日やすきま時間だけコツコツ取り組む副業は、トラブルが起きにくいパターンです。副業20万以下の範囲で様子を見たい人ほど、こういった低リスクなジャンルから始めるのがおすすめです。

ケース別で見る副業いくらまでシミュレーション

ごとう

ここからは、「自分のケースだと副業はいくらまでが目安になりそうか」をイメージしやすくするために、いくつかのパターンでざっくりシミュレーションしてみます。数字はあくまでイメージなので、最終的にはご自身の状況に合わせて調整してください。

会社員×業務委託で副業20万以下のケース

まずは、本業が会社員で、副業としてWebライターやデザイナー、エンジニアなどの業務委託で仕事を受けているケースです。よくあるパターンをざっくり整理すると次のようになります。

ケース	本業の年収イメージ	副業の年間収入	副業の経費イメージ	副業の所得イメージ	主なチェックポイント
ケースA	年収400万円	30万円	10万円	20万円	所得が20万ちょうどのイメージ。申告の要否を慎重に確認したい
ケースB	年収400万円	20万円	5万円	15万円	所得は20万以下でも、源泉徴収や住民税の扱いを確認したい
ケースC	年収500万円	50万円	20万円	30万円	所得が20万を超えるので、確定申告が必要になる可能性が高い

ここで改めて強調したいのは、「副業20万以下＝収入の金額」ではなく、「副業20万以下＝所得の金額」という点です。私のまわりでも、経費をしっかり計上していれば所得を20万以下に抑えられたのに、というケースを何度も見てきました。領収書やレシートをまとめておく習慣は、早めにつけておくと後から自分を助けてくれます。

パート主婦の副業いくらまでシミュレーション

次に、「パートで働きつつ、少しだけ副業でプラスしたい」というケースを考えてみます。この場合は、扶養や年収の壁にどれくらい近いかがポイントです。

たとえば、次のようなイメージが考えられます。

本業パート：年収90万円、副業：年間10万円 → 合計100万円前後で、住民税のラインを意識したいゾーン
本業パート：年収100万円、副業：年間30万円 → 合計130万円前後で、社会保険の扶養を意識したいゾーン
本業パート：年収120万円、副業：年間40万円 → 合計160万円前後で、配偶者控除や手取り額の変化を要チェック

同じ金額を副業で稼いだとしても、本業パートの収入しだいで、扶養や社会保険への影響はまったく変わります。パート副業の場合は、「副業いくらまで増やすか」だけではなく、「本業の勤務時間やシフトをどうするか」まで含めて考えると、自分に合ったバランスが見つかりやすくなります。

学生・フリーランスの場合の考え方

学生やフリーランスの場合は、会社の就業規則や副業禁止といった制限が少ないぶん、「税金」と「社会保険」を中心に副業はいくらまでかを考えるイメージになります。

学生の場合：親の扶養に入っているかどうかで、年収の壁の意味が変わる
フリーランスの場合：本業と副業が混ざりやすく、「全部まとめて事業」と考えるケースもある

フリーランスの場合は、「どこまでを副業と呼ぶか」より、「一年間の所得全体がどれくらいになるか」のほうが重要です。副業20万以下にこだわるというより、事業全体としての売上や経費、消費税の課税対象になるかどうかなど、もう一段上の視点で考える必要が出てきます。

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副業20万以下でも必須のお金管理と帳簿のコツ

ごとう

ここでは、「副業20万以下だからお金の管理は適当でいいでしょ」という考え方を少し見直してみます。金額が小さいうちからざっくりでも管理しておくと、あとで必ずラクになります。

家計簿アプリや会計ソフトで副業を仕分けする

「帳簿」と聞くと一気にハードルが上がりますが、やっていることは意外とシンプルです。副業の金額が20万以下かどうかに関係なく、最低限こんなことをしておくと安心です。

副業用の銀行口座を1つ決めて、報酬の入金はそこにまとめる
可能なら副業専用のクレジットカードを用意し、関連する支払いを集約する
家計簿アプリや会計ソフトで「副業」というカテゴリを作り、収入と支出を見える化する

こうしておくと、「副業の売上」と「副業の経費」が自然と整理されていきます。確定申告が必要になったときも、通帳やアプリの履歴をたどれば大まかな数字が分かる状態になっているだけで、作業の負担はかなり違います。

経費になるもの・ならないもののざっくり目安

副業はいくらまでに抑えるかを考えるうえでも、経費の考え方は知っておいて損はありません。ざっくりとした目安を挙げると次のようになります。

明らかに副業のためだけに使ったもの → 経費として計上しやすい
私生活と副業の両方で使うもの → 副業で使った割合だけ経費にできる場合がある
副業と関係のない完全な私用の支出 → 経費にはできない

たとえば、Webライターの副業なら、取材の交通費、参考書籍代、仕事用のカフェ代の一部などは経費になりやすい項目です。「これは副業に関係あるかな？」と迷った支出は、ひとまずメモやレシートだけ残しておき、あとから落ち着いて判断すると失敗が減ります。

副業が20万を超えそうになったときの動き方

副業を続けていると、「気づいたら所得が20万に近づいてきた」「来年は副業20万以下に抑えないほうがよさそうだ」と感じるタイミングが来るかもしれません。そのときに慌てないよう、ざっくりした行動の流れをまとめておきます。

状況	やっておきたいこと
副業の所得が20万に近づいてきた	副業の収入と経費を整理し、現在の所得がおおよそいくらか把握する
20万を超えそうだと分かった	確定申告が必要になりそうか、税務署や公式サイトの情報で早めに確認する
20万を明らかに超えた	帳簿やレシートを整理し、申告の時期や必要書類を意識して準備を進める

個人的には、「20万のラインを意識して仕事量を絞る」より、「きちんと申告して堂々と稼ぐ」ほうが長く続けやすいと感じています。副業はいくらまで稼ぐかという数字だけでなく、自分のメンタルの負担も含めて考えてみてください。

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よくある質問：副業いくらまで・副業20万以下の疑問

ごとう

最後に、副業はいくらまで・副業20万以下というテーマで、よく聞かれる質問をQ&A形式でまとめます。細かな条件は人によって違うので、あくまで考え方のヒントとして読んでみてください。

Q1. 副業20万以下なら確定申告も住民税もいらないの？

A. 副業の所得が20万以下の場合、一定の条件を満たした会社員であれば、所得税の確定申告が不要になるケースはあります。ただし、それはあくまで所得税の話で、住民税の申告が不要になるとは限りません。

副業で利益が出ているなら、金額が小さくても住民税の申告が必要とされている自治体がほとんどです。また、ふるさと納税や医療費控除など別の理由で確定申告をする場合は、そのタイミングで副業分も一緒に申告する形になります。「副業はいくらまでなら何もしなくてOK」と決めつけず、一度は自治体や税務署の案内を確認してみるのが安心です。