ブログを始めたいけれど、WordPressの無料版と有料版の違いがよく分からなくて手が止まっていないでしょうか。
結論から言うと、本気でブログやサイトを育てたいなら、最初から有料環境のWordPressを選んだ方が、時間もお金もムダが少なくてラクなケースが多いです。そのうえで、無料版が向いている人についても正直にお話ししていきます。
WordPressの無料版と有料版の違いをざっくり整理しよう

ここでは、そもそも「WordPressの無料版と有料版って何がどう違うのか」という大枠を整理します。いきなり細かい話に入る前に、全体像をざっくりつかんでおきましょう。
WordPressの種類と無料・有料の関係
WordPressと一口に言っても、実は大きく分けて次の三つのパターンがあります。この違いがごちゃごちゃになりやすいので、最初に表で整理しておきます。
| 種類 | 料金イメージ | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| WordPress.com 無料プラン | 完全無料 | サービス側の広告表示あり、独自ドメイン不可、カスタマイズ制限が多い | とりあえず試してみたい人 |
| WordPress.com 有料プラン | 月数百〜数千円 | プランに応じて広告非表示や独自ドメイン、容量アップなどが可能 | 手軽に始めたい個人や趣味ブロガー |
| WordPress.org + レンタルサーバー | サーバー代とドメイン代が必要 | プラグインやテーマが自由に使え、カスタマイズの自由度が高い | 本気でブログやサイト運営をしたい人 |
ソフトとしてのWordPress自体は無料で配布されています。ただ、「どこでどう動かすか」によって、無料寄りにも有料寄りにもなる、というイメージです。
「無料版」「有料版」という言葉がややこしい理由
ネットの記事をいろいろ見ていると、同じ「無料版」「有料版」という言葉でも、指しているものが微妙に違うことがあります。そこが混乱の元です。
- 「WordPressは無料です」と書きつつ、実際にはサーバー代やドメイン代の話を別でしている
- 「有料版のWordPress」といいながら、レンタルサーバーにインストールした普通のWordPressのことを指している
- WordPress.comの無料ブログと、自前サーバーのWordPressを同じ土俵で比べている
この記事では混乱を避けるため、次のように呼び分けます。
- サービスに登録するだけで使えるものを「WordPress.comの無料版・有料版」
- レンタルサーバーに自分でインストールして使うものを「サーバー型のWordPress(実質有料版)」
こう決めておくと、これから出てくる「費用」や「機能の違い」の話がすっと頭に入ってきやすくなります。
どの「無料版」から考えればいいか
ここまで読んで、「結局どこから選べばいいのか分からない」と感じているかもしれません。最初の入口としては、次の三つのイメージで考えると整理しやすいです。
- 完全にお試しで、続くかどうか自信がないなら → WordPress.comの無料版
- できるだけ簡単に始めたいけれど、独自ドメインも欲しいなら → WordPress.comの有料版
- 副業やビジネスで本気で育てたいなら → レンタルサーバーで動かすサーバー型のWordPress
このあと、無料環境でできることと、有料環境でできることを、それぞれ具体的に見ていきます。
WordPressを無料版で使うメリット・デメリット

ここでは、できるだけお金をかけずにWordPressを使う場合の選択肢と、良い点と注意点を整理していきます。「まずは無料で始めたい」という気持ちは自然なので、その前提でリアルなところを書きます。
無料でWordPressを使う代表的なパターン
無料に近い形でWordPressを触る方法はいくつかあります。代表的なパターンを、分かりやすく表にまとめました。
| パターン | 費用 | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| WordPress.com 無料プラン | 完全無料 | 広告表示あり、独自ドメインなし、容量やデザインに制限がある | まず触ってみる段階なら○ |
| 無料レンタルサーバー+WordPress | 無料〜ごく少額 | 容量や速度の制限が大きく、表示が不安定になりやすい | テスト用ならアリ、本番運用にはあまり向かない |
| 有料サーバーのキャンペーンで実質無料スタート | 一定期間無料、その後は有料 | 期間限定で費用を抑えつつ、本番環境に近い運用ができる | 最初から有料運用を視野に入れているならおすすめ |
私も昔、無料レンタルサーバーにWordPressを入れて遊んでいたことがありますが、表示速度や安定性に不満が出てきて、結局すぐ有料サーバーに引っ越しました。つい「無料だからまあいいか」と思ってしまいますが、真面目に運営したくなった瞬間にストレスが一気に増えます。
WordPress無料版のメリット
<p無料環境の一番のメリットは、やっぱり「お金がかからないこと」です。ただ、それ以外にも良いところがあります。
- クレジットカード登録なしで始められるサービスもあり、心理的なハードルが低い
- 合わなければいつでもやめられるので、気楽に試せる
- 管理画面の雰囲気や記事の投稿方法を、実際に触りながら覚えられる
- 身内向けの日記や、学校の課題など、クローズな用途なら機能的に十分なケースもある
「書くこと自体が続くかどうか分からない」という段階なら、無料版で感覚をつかんでから次のステップを考えるのも一つの方法です。
WordPress無料版のデメリット
一方で、無料版のWordPressには見落としがちな弱点も多いです。後から「先に知っておけばよかった」となりやすいポイントを挙げておきます。
- サービス側の広告が勝手に表示され、見た目の印象が損なわれる
- 独自ドメインが使えず、長くて覚えづらいURLになりがち
- 使えるテーマやプラグインが限られ、デザインや機能の自由度が低い
- サーバー性能が高くないことが多く、表示速度が遅くなりやすい
- バックアップやサポートが最小限で、トラブル時に自力で解決する必要がある
- サービス終了や仕様変更のリスクがあり、自分ではコントロールしにくい
特に、独自ドメインを使えないことと、広告の強制表示は大きなネックです。ビジネス利用や、アフィリエイトなど収益化を視野に入れる場合、信頼感やブランドイメージの面でどうしても不利になってしまいます。ここが、無料環境か有料環境かを分ける最初の重要なポイントです。
WordPressの有料版でできることと費用の目安

次は、レンタルサーバーを使った有料環境のWordPressについて整理します。「いくらくらいかかるのか」「そのぶん何ができるようになるのか」をイメージできるように解説していきます。
有料運用にかかる主な費用
サーバー型のWordPress、つまり実質的な有料版で必ず発生する費用は、おおまかに次の三つに分けられます。
| 費用の種類 | ざっくりした金額イメージ | 補足 |
|---|---|---|
| レンタルサーバー代 | 月数百〜数千円程度 | 長期契約にすると月あたりが安くなるプランが多い |
| ドメイン代 | 年数百〜数千円程度 | .comや.netなど、ドメインの種類によって金額が変わる |
| 有料テーマ・有料プラグイン代 | 無料〜数万円程度 | 必須ではないが、効率化やデザイン性のために導入する人が多い |
こうして並べると「それなりにお金がかかるな」と感じるかもしれません。ただ、副業として月に数千円〜数万円の収益を目指すなら、十分に回収できるレベルのコストです。それよりも、「自由に作れること」と「あとから制限で困らないこと」の方が、長期的には大きなメリットになります。
有料版WordPressならではの自由度
有料環境の一番の魅力は、なんといっても自由度の高さです。具体的には、次のようなことができるようになります。
- 自分で決めた独自ドメインを使えて、ブランドを作りやすい
- テーマやプラグインをほぼ自由に選んでインストールできる
- Googleアドセンスやアフィリエイト広告を制限なく貼れる
- 会員サイトやオンライン講座、ECサイトなど高度な仕組みも構築しやすい
- バックアップやセキュリティ対策を、自分で選んで強化できる
私も最初は無料ブログサービスからスタートしましたが、広告やデザインの制限にモヤモヤして、結局サーバー型のWordPressに移行しました。有料環境に移してからは「こんな機能も足せるんだ」とワクワクする場面が増え、サイト運営自体が一気に楽しくなった感覚があります。
無料版から有料版に切り替えるタイミング
よくある悩みが、「とりあえず無料環境で始めて、うまくいきそうなら有料環境に切り替えるのはアリか」というものです。答えとしては「アリだけど、タイミングが大事」です。
切り替えの目安としては、次のような状態になったときが一つのラインです。
- 記事数が十数本〜三十本くらいになり、「もう少し本気で続けたい」と感じたとき
- 広告収入やアフィリエイトなど、収益化を真面目に考え始めたとき
- アクセスが増え始めて、表示速度やデザインに不満が出てきたとき
無料環境から有料環境に移る場合、記事の引っ越しやURLの変更など、どうしても作業の手間が発生します。記事が増えれば増えるほど移行は大変になるので、「続けるつもり」が固まった段階で早めに有料環境に移る方が、結果的にラクです。
テーマ・プラグインの無料版と有料版の違い

ここからは、WordPressの中でも特に迷いやすい「テーマ」と「プラグイン」の無料版と有料版の違いを見ていきます。本体の無料環境と有料環境の違いとは別に、内部の選択肢として押さえておきましょう。
テーマの無料版・有料版を比較する
テーマは、サイト全体のデザインやレイアウトを決めるテンプレートです。無料テーマと有料テーマの違いを、よくあるポイントごとにまとめました。
| 項目 | 無料テーマ | 有料テーマ |
|---|---|---|
| 料金 | 無料 | 数千〜数万円の買い切りが多い |
| デザイン | シンプルなものが多い | 細部まで作り込まれたデザインが多い |
| カスタマイズ性 | 設定項目が少ないことが多い | 管理画面から細かく調整できるものが多い |
| サポート | 基本的になし、もしくはフォーラムのみ | 開発者のサポートやマニュアルが用意されている |
| アップデート | 更新が止まる可能性もある | 継続的にアップデートされることが多い |
無料テーマでも、十分にきれいなサイトを作ることはできます。ただ、細かいデザイン調整や表示速度、SEO対策まで考えると、有料テーマの方が「最初から整っている」ことが多いです。私は最初、無料テーマであれこれカスタマイズしていましたが、思ったより時間がかかりすぎてしまい、その時間でもっと記事を書けばよかったなと少し後悔しました。
プラグインの無料・有料の考え方
プラグインは、問い合わせフォームやSEOサポートなど、WordPressの機能を拡張するための小さなプログラムです。多くのプラグインには無料版があり、必要に応じて有料版にアップグレードする方式になっています。
| 項目 | 無料プラグイン | 有料プラグイン |
|---|---|---|
| 料金 | 無料 | 月額・年額・買い切りなどさまざま |
| 機能 | 基本的な機能が中心 | 自動化や高度な分析など追加機能が豊富 |
| サポート | 最小限、もしくはコミュニティベース | 開発元のサポートが受けられることが多い |
| 更新 | 開発が止まってしまう可能性もある | 継続的にアップデートされる前提で作られていることが多い |
最初から全部を有料にする必要はありません。むしろ、最初は無料プラグインだけで十分です。そのうえで、バックアップやフォーム、決済など「トラブルが怖い部分」や「ビジネスの核になる部分」だけ、有料プラグインで安心を買うイメージにするとバランスがいいと思います。
タイプ別・あなたにおすすめのWordPressの始め方

ここまで、WordPressの無料版と有料版の違いをそれぞれ見てきました。次は、「結局自分はどう始めればいいのか」という疑問に答えるために、タイプ別のおすすめパターンを整理します。
ブログ・副業向けのおすすめ構成
副業ブログやアフィリエイトを考えている人にとって、最初の環境選びはかなり重要です。私の経験も含めて、おすすめ度を表にしました。
| タイプ | 環境 | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 月に数万円以上をしっかり狙いたい | サーバー型WordPress+有料テーマ | 非常におすすめ | 収益化・SEO・デザインの自由度が高く、長期運用に向いている |
| まずは月に数千円の副収入が目標 | サーバー型WordPress+無料テーマ | おすすめ | コストを抑えつつ、本格的な運用ができる |
| 趣味ブログから気軽に始めたい | WordPress.comの有料プラン | まあまあおすすめ | レンタルサーバーの細かい設定をせずに、管理を簡単に始められる |
副業目的なら、独自ドメインとサーバー型のWordPressはほぼ必須と考えていいです。無料環境の制限に悩みながら運営するより、最初から有料環境にして記事作成に集中した方が、結果が出るスピードもストレスの少なさも変わってきます。
企業・店舗サイト向けの考え方
会社のコーポレートサイトや、お店のホームページとしてWordPressを使う場合は、信頼性とブランドイメージが特に大切です。その意味で、企業や店舗サイトに無料環境のWordPressがベストマッチするケースはかなり限られます。
企業・店舗向けにチェックしたいポイントは次の通りです。
- 社名やブランド名を使った独自ドメインを、きちんと取得して使えるか
- サイトの表示速度や安定性が、ビジネスの信用を下げる原因にならないか
- 問い合わせフォームや予約システムなど、必要な機能を問題なく実装できるか
- セキュリティ対策やバックアップを、継続的に行える環境か
これらを考えると、企業や店舗の場合はほぼ迷わず「サーバー型のWordPress」一択と言ってもいいレベルです。必要に応じて制作会社やフリーランスに構築を依頼し、自社で更新できる仕組みを作っておくと長期的に楽になります。
学習用・お試しで使いたい人向け
「仕事でWordPressに触ることになりそうだから、その前に慣れておきたい」「将来のためにCMSを触っておきたい」といった学習目的の人もいると思います。その場合は、無理に最初から有料環境にしなくても大丈夫です。
- WordPress.comの無料アカウントを作り、管理画面の操作感をつかむ
- 無料レンタルサーバーにインストールしてみて、設置の流れを体験してみる
- 自分のパソコンの中にローカル環境を作り、好きなだけ壊しながら練習する
学習目的なら、「いつ消えても困らないテスト環境」と割り切れば、無料環境でも十分です。そのうえで、「本番のブログやサイトを育てたい」と感じたタイミングで、有料環境のWordPressにステップアップするのがスムーズな流れです。
WordPressの無料版と有料版の違いについてのよくある質問(FAQ)

最後に、WordPressの無料版と有料版の違いに関して、よくある質問をまとめておきます。悩みどころになりやすい箇所なので、目を通してみてください。
Q1. WordPressの無料版から有料版に変えたら、記事は消えますか?
A. 無料環境のWordPressから有料環境に移行したからといって、自動的に記事が消えることはありません。ただし、環境をまたいで引っ越す場合は、データ移行の作業が必要になります。
例えば、WordPress.comの無料版からサーバー型のWordPressに移る場合は、エクスポートとインポートの機能を使って記事データを移すのが一般的です。その際、画像のリンク先や内部リンクの調整など、少し細かい作業が出てくることがあります。「絶対に消えたら困る」記事がある場合は、事前にバックアップを取っておくと安心です。
Q2. WordPressの無料版でもSEOは十分ですか?
A. 基本的なSEOであれば、WordPressの無料環境でもある程度は対応できます。ただ、独自ドメインを使えないことや、表示速度やデザインの制限などを考えると、本気で検索上位を狙うには不利になることが多いです。
検索からの集客をしっかり狙うなら、独自ドメインを使え、サーバー性能も自分で選べる有料環境のWordPressにした方が、長期的には有利です。無料環境で記事を書き溜めてから移行するより、最初から有料環境にしてしまった方が、SEO的にも管理の面でもスッキリする場合が多いと感じています。
Q3. とりあえず無料版で始めて、反応がよければ有料版にしたいのですがアリですか?
A. もちろんアリです。実際、私も最初は無料サービスからスタートして、「書くのが楽しい」「もっと育てたい」と思ってから有料環境に移りました。
ただし、無料環境から有料環境に切り替えるときには、URLが変わったり、デザインやレイアウトが最初から作り直しになったりと、どうしても手間が増えます。記事数が多いほどその負担も大きくなるので、「これは続けたい」と感じた段階で、早めに有料環境のWordPressに移行してしまう方がトータルではラクです。
まとめ:WordPressの無料版と有料版の違いを理解して、一歩踏み出そう
最後に、この記事の要点をコンパクトにまとめます。
- WordPressの「無料版」と「有料版」には、WordPress.comやサーバー型などいくつかのパターンがある
- 無料環境は気軽に始められる一方で、広告表示や独自ドメイン不可、機能制限などのデメリットがある
- 有料環境のWordPressは、独自ドメインや豊富なテーマ・プラグインを使えて、収益化やビジネス利用に向いている
- テーマやプラグインにも無料版と有料版があり、最初は無料で始めて、必要に応じて有料に投資する流れが現実的
- 無料環境から有料環境への移行は可能だが、記事が増える前に決断した方が作業も負担も少ない
今日から取れる最初の一歩としては、「自分は何のためにWordPressを使いたいのか」を一度紙に書き出してみることです。副業で稼ぎたいのか、趣味として日記を書きたいのか、会社やお店の顔となるサイトを作りたいのかを整理してみてください。
そのうえで、「これはちゃんと育てていきたい」と思えるなら、独自ドメインを取り、サーバー型のWordPressで一歩踏み出すのがおすすめです。無料環境に縛られすぎず、自分の目的に合った形で、気持ちよくサイト運営を楽しんでいきましょう。



