この記事ではWordPressのシェアや日本でのCMSの現状を解説します。
先に結論を一言でまとめると、「数字だけで安心せず、自分の目的と運用体制に合わせて、WordPressのシェアを一つの判断材料にしよう」という話です。
WordPressシェアをざっくり整理するとどうなる?

まずは、世界全体で見たときのWordPressの立ち位置を整理します。「よく名前は聞くけれど、実際どれくらい使われているの?」という感覚を、ざっくり数字でイメージできるようにしておきましょう。
世界のCMS市場で見るWordPressのシェア
世界中のWebサイト全体で見ると、WordPressはおおよそ「全サイトの4割強」で使われていると言われています。
さらに、何らかのCMSを使っているサイトだけに絞ると、WordPressのシェアは6割前後と、かなりの独走状態です。
イメージしやすいように、世界のCMSシェアをざっくり表にすると、次のような感じになります。
| CMS名 | 全サイトに占める割合の目安 | CMSだけで見たシェアの目安 | 位置づけのイメージ |
|---|---|---|---|
| WordPress | 約4割強 | 約6割前後 | 圧倒的トップ |
| Shopify | 数%台前半 | 一桁台前半 | EC特化で成長中 |
| Wix | 数%台前半 | 一桁台前半 | ノーコード系の代表格 |
| Squarespace | 数%台前半 | 一桁台 | デザイン性重視のサービス |
| その他CMS | 合計で1〜2割弱 | 合計で2〜3割弱 | ニッチ・独自CMSなど |
ざっくりまとめると、次のような構図です。
- CMS市場ではWordPressが多数派
- 残りのシェアを他のサービスが細かく分け合っている
「なんとなくWordPressが多そう」という感覚以上に、数字で見てもかなりの存在感があることが分かります。
WordPressが世界でここまでシェアを取った理由
WordPressがここまで高いシェアを取っている理由は、実際に使ってみるとよく分かります。
代表的なポイントを挙げると、こんな感じです。
- 本体が無料で使え、オープンソースなのでカスタマイズしやすい
- テーマやプラグインが非常に多く、やりたいことの多くは追加開発なしで実現できる
- 世界中にユーザーと開発者がいて、情報やノウハウがとにかく豊富
- ブログ、企業サイト、メディア、簡易的なECなど、使える用途の守備範囲が広い
私の現場感覚でいうと、「ゼロから独自開発すると予算も納期も厳しい」という案件でも、WordPressのテーマ+プラグインの組み合わせでうまく収まった、というケースがかなり多いです。
この「コストと柔軟性のバランスが良い」という点と、「対応できるサイトの幅の広さ」が、数字としての高いシェアにつながっていると感じています。
日本でのWordPressシェアと、少し極端な事情

次に、日本市場でのWordPressシェアを見ていきます。結論からいうと、日本語サイトの世界はかなり極端で、「WordPress一強」といってもいい状況です。
日本語サイトにおけるWordPressシェア
日本語で作られたサイトに限って調査すると、WordPressのCMSシェアは8割を超えるというデータがいくつも出ています。
つまり、日本のCMS市場は「WordPressが大半で、それ以外は少数派」という構図になっているわけです。
イメージをつかみやすくするために、日本語サイトでよく使われているCMSを表にまとめると、次のようになります。
| CMS名 | 日本語サイトでのシェアの目安 | 備考 |
|---|---|---|
| WordPress | 約8割超 | 企業・個人問わず圧倒的多数派 |
| Shopify | 数%台前半 | ECサイト向けに導入増加中 |
| Adobe系CMS | 数%台前半 | 大企業や公共系サイトなどで採用 |
| Jimdo / ペライチなど | 数%台未満 | 超初心者向け・小規模サイト向き |
| 国産独自CMS・自社開発CMS | 残りわずか | 制作会社やSIerが独自に構築 |
「どこの制作会社に相談してもWordPressを勧められた」という経験があれば、その背景にはこうした数字があります。
日本でWordPressシェアが偏る理由
日本でここまでWordPressシェアが偏っているのは、単純に「有名だから」というだけではありません。
現場目線で見ていると、次のような理由が組み合わさっていると感じます。
- 制作会社やフリーランスの「標準CMS」としてWordPressが定着している
- 日本語の情報が圧倒的に多く、学びやすい・調べやすい
- テーマやプラグインの日本語対応も増え、非エンジニアでも触りやすい
- クライアント側にも「とりあえずWordPressなら安心」という空気感がある
私自身も、クライアントの社内にWeb担当者が複数いる案件では、第一候補としてWordPressを出すことが多いです。
理由はシンプルで、「もし担当者が入れ替わっても、WordPressなら経験者が見つかりやすい」からです。
WordPressシェアの推移と「時代遅れ?」論

ここまで読むと、「そんなにシェアが高いなら、WordPressを選んでおけば安心そう」と感じるかもしれません。一方で、「WordPressはもう古い」「ノーコードツールのほうが良い」という声もよく耳にしますよね。この章では、シェアの推移と「時代遅れ?」という話を、できるだけフラットに整理してみます。
シェア推移のざっくりイメージ
長い期間で見ると、WordPressのシェアはじわじわと伸び続け、その後はほぼ横ばい〜わずかな微減といった動きになっています。
ざっくり雰囲気だけつかめるように、イメージ表を置いておきます。
| 時期イメージ | 全サイトでのWordPressシェア感 | CMSの中でのシェア感 | ざっくり傾向 |
|---|---|---|---|
| 少し昔 | 3割前後 | 5〜6割前後 | 毎年のようにシェアが伸びていた |
| 伸び盛りのタイミング | 4割近くまで上昇 | 6割前後で安定 | 伸びがやや落ち着いてくる |
| ここ最近 | 4割強で横ばい〜微減 | 6割前後をキープ | 他CMSが伸び、全体として均衡化 |
ポイントをまとめると、次の2つです。
- WordPressのシェアが急激に落ちているわけではない
- ただし、ShopifyやWixなどの台頭で「独走状態」から「競争が増えた状態」に変わってきている
つまり、「WordPressだけが一方的に伸び続ける」時代から、「用途ごとにいろいろなサービスが選ばれる」時代に変わってきているといえます。
「WordPressは時代遅れ」の本音と建前
「WordPressは時代遅れ」という意見が出てくる背景には、だいたい次のような事情があります。
- ノーコードツールと比べると、最初の設定や保守に手間がかかる
- テーマやプラグインの選び方次第では、表示速度が遅くなりやすい
- セキュリティ更新を放置すると、攻撃の的になりやすい
実際、私のところにも「WordPressで作ったけれど、管理画面の使い方がよく分からない」「更新しないまま放置していたら、いつの間にかサイトが壊れていた」といった相談がたまに来ます。
こういった「運用の難しさ」が、ネガティブなイメージにつながっているのは確かです。
一方で、次のような側面もあります。
- テーマとプラグインをきちんと選べば、表示速度は十分に速くできる
- 基本的なセキュリティ対策を守れば、多くのトラブルは事前に防げる
- コンテンツをどんどん増やすメディア型サイトでは、今もWordPressの強みが大きい
なので、「時代遅れ」というよりは、「適した用途と、そうでない用途がよりはっきりしてきた」と考えたほうが近いです。
WordPressシェアだけで決めない!他CMSとの比較視点

ここからは、「WordPressシェアが高いから、いつでもWordPress一択」という考え方から一歩進んでみます。結論からいうと、サイトの目的や運用体制によっては、他のCMSやノーコードツールを選んだほうが幸せになれるケースもかなり多いです。
シェア上位CMSのざっくり比較
代表的なCMSやサービスを、用途ベースで比較してみましょう。
| ツール名 | 得意な用途 | 強み | 弱み・注意点 |
|---|---|---|---|
| WordPress | ブログ・メディア・企業サイト | 柔軟なカスタマイズと豊富なプラグイン | 保守やセキュリティ対応の手間 |
| Shopify | ECサイト全般 | EC機能が標準で強く、決済周りも充実 | ブログや細かなページ構成はやや苦手 |
| Wix | 小規模サイト・ポートフォリオ | ドラッグ&ドロップで直感的に作れる | 複雑な構造のサイトには不向き |
| Squarespace | デザイン性重視のサイト | テンプレートが洗練されていておしゃれ | 日本語の情報が少なめ |
| 国産ノーコード | LP・イベントサイトなど | 日本語サポートが手厚く、操作も分かりやすい | 大規模メディアには向かないことが多い |
数字だけ見るとWordPressが圧倒的ですが、実際には次のようなケースが多いです。
- ECがメインなら、WordPressよりShopifyのほうが合う
- 1〜2ページのLPだけなら、国産ノーコードで十分なことが多い
- デザインにこだわった作品集なら、Squarespace系のほうが相性が良い場合もある
つまり、「シェア=自分にとってのベスト」ではない、ということですね。
WordPressシェアより大事な4つの比較ポイント
CMS選びの相談を受けるとき、私が必ず確認しているのは次の4つです。
- サイトの目的
- 検索から集客したいのか、名刺代わりに置いておきたいのか、ECが中心なのか
- 予算とスケジュール
- 初期構築にどこまでお金と時間をかけられるか
- 社内の運用体制
- 毎月更新する担当者がいるのか、基本的に外注前提なのか
- 必要な機能のリスト
- 会員機能、予約機能、多言語対応、問い合わせフォームの種類など
これらを整理したうえで、シェアの高さや知名度を参考にすると失敗しにくくなります。
「多数派だから安心」「少数派だから不安」といった感覚だけで決めてしまうのは、もったいないです。
WordPressシェアから考える「あなたは選ぶべきか?」

ここまで読んで、「結局、うちのケースだとWordPressがいいのか分からない」という気持ちになっているかもしれません。この章では、もう少し具体的に、サイトのタイプごとに向き不向きを整理してみます。
こんなサイトならWordPressを選びやすい
まず、「これはWordPressと相性が良いな」と感じるパターンからです。
| サイトのタイプ | WordPressが向いている理由 |
|---|---|
| コンテンツ量が増えていくメディア | 記事管理がしやすく、カテゴリやタグも柔軟に運用できる |
| SEOで集客したい企業サイト | SEO系プラグインや構造化データへの対応がしやすい |
| ブログ+資料請求フォームを持つサイト | 情報発信とリード獲得を同じ基盤で運用しやすい |
| 制作会社が長期的にサポートする案件 | 社内にWordPressのナレッジをためやすい |
私のクライアントでも、次のようなケースはほぼWordPressで作っています。
- BtoB企業のコーポレートサイト+オウンドメディア
- 採用情報を定期的に更新する企業サイト
- お役立ち記事を増やしていきたいサービス紹介サイト
こうしたサイトはページ数や記事数が増えていくことが多く、WordPressの「コンテンツを育てていくのに向いている」という強みが活きます。
こんな場合は別CMS・サービスも検討したい
逆に、「WordPressシェアが高いから」という理由だけで選ぶと、あとから後悔しやすいパターンもあります。
たとえば、次のようなケースです。
- 1枚もののLPだけをスピード重視で量産したい
- HTMLもWordPressも触ったことがなく、とにかく操作をシンプルにしたい
- 商品点数が多い本格的なECサイトを作りたい
- デザインを細かくいじるより、用意されたテンプレの世界観をそのまま使いたい
こういった場合は、次のような選択肢も含めて検討したほうが良いと思います。
- 国産ノーコードサービス(ペライチ、STUDIOなど)
- ECに特化したShopify
- デザイン性が売りの海外サービス
実際、LP量産案件をすべてWordPressで作り続けた結果、サーバーやプラグイン管理がごちゃごちゃになってしまい、途中でノーコードに乗り換えたプロジェクトを私は何件か見ています。
シェアの高さはたしかに安心材料ですが、「そのCMSで運用し続ける自分たち」に合うかどうかのほうが、ずっと重要です。
よくある質問(WordPressシェア編)

最後に、実際によく聞かれる質問をQ&A形式でまとめておきます。
Q1. WordPressシェアが高いと、セキュリティ面で危険ではないですか?
WordPressはシェアが高い分、攻撃者から狙われやすいのは事実です。
ただ、それは「WordPressだから危険」というより、「ユーザーが多いサービスほど、悪意ある人も集まりやすい」というイメージに近いです。
実際には、次のような基本を守れば、多くのトラブルはかなり防げます。
- 本体・テーマ・プラグインをこまめに更新する
- 不要なプラグインを入れすぎない
- IDやパスワードを推測されやすいものにしない
- セキュリティ対策に力を入れているレンタルサーバーを選ぶ
「WordPressシェアが高い=危険」ではなく、「ユーザーが多いからこそ、最低限のセキュリティ運用をサボらないことが大事」と考えてもらえればOKです。
Q2. 日本でWordPressのシェアが8割以上なら、とりあえずWordPress一択でいいですか?
日本でのWordPressシェアがとても高いのは事実ですが、それだけを理由に「常にWordPress一択」とするのは少し危険です。
たとえば、次のようなケースでは、必ずしもWordPressがベストとは限りません。
- 1ページ完結のLPを年に数回だけ公開する程度
- 小さなイベントの告知サイトを、短期間だけ公開できれば良い
こういった場合は、ノーコードサービスのほうが、スピードもコストも有利なことが多いです。
逆に、次のようなニーズがあるなら、WordPressのシェアの高さは「長く使える安心材料」として心強いです。
- ブログやお役立ち記事を継続的に増やしていきたい
- 会社として情報発信を強化したい
- 時間をかけて育てるオウンドメディアを作りたい
「日本でWordPressがよく使われている」という事実は、あくまで判断材料の一つとして、目的や運用体制と合わせて考えるのがおすすめです。
Q3. WordPressシェアが今後下がっていくなら、別のCMSにしておいたほうが安全ですか?
現状の数字を見るかぎり、WordPressのシェアは高水準を保ったまま、ゆるやかに横ばい〜微減といった動きです。
いきなりマイナーになってサポートが消えてしまう、といった心配は現実的ではありません。
そのため、今すぐ「別のCMSに乗り換えなければ危ない」という状況ではなく、「用途によっては他の選択肢も十分ありえる」という段階だと考えて良いと思います。
もし心配であれば、次のように使い分けるのも一つの手です。
- 企業サイトなど、長期運用するメインサイト → WordPress
- 単発キャンペーンやLP → ノーコードや専用サービス
このように分けておけば、WordPressシェアの変化があっても、リスク分散ができます。
WordPressシェアまとめと、今日からできる一歩
この記事のポイントを整理します
- 世界全体では、WordPressは全サイトの4割強、CMS市場でも約6割前後という非常に高いシェアを持っている
- 日本語サイトに絞ると、WordPressのCMSシェアは8割以上で、「WordPress一強」といえる状況になっている
- シェアの推移は高水準を保ちつつ落ち着いており、「時代遅れ」というより、用途によって向き不向きがはっきりしてきた段階にある
- シェアの高さは安心材料になる一方で、目的や運用体制によっては他CMSやノーコードツールのほうが合うケースも多い
- 「とりあえず多数派だから」ではなく、「自分たちのゴールや体制に合うかどうか」を基準にCMSを選ぶことが大事
そして、今日からできる最初の一歩としては、次のステップがおすすめです。
- 自分のサイトで「何を達成したいのか」を、1〜2行で言語化してみる
- 必要な機能(ブログ、フォーム、EC、会員制など)を書き出してみる
- そのうえで、「WordPress」「Shopify」「ノーコードサービス」の3つを候補にし、それぞれの特徴や事例をざっと眺めてみる
ここまでやっておくと、「なんとなくWordPressが多そうだから」という理由だけでCMSを選ぶことから卒業できます。
もしそれでも迷うようなら、制作会社やフリーランスに相談するときに、この記事で整理したポイントをそのまま見せてしまいましょう。
あなたのサイトにとって、本当にちょうどいいCMSを、一緒に選んでいきましょう。




